『ピンチをチャンスに』



「ねーねー!あのさっ!明日から北海道入りしようと思うんだ!予定より1日早く!」
「……え?それってあれだろ?遠距離恋愛中の例の……恋人、に、会いに行くとかいう……」
「うんそーそー!!内緒で早く行って、あいつ驚かせてやろーと思ってんだ!」
「……えー。うーん……」
「え、なになに?どしたの?…ふふっ、絶対あいつ喜ぶと思うんだー!『えー!明日来るって言ってたのに今日来たのー!嬉しー!』ってなるよな!な!?」
「うーーん…。まぁ、な、驚くとは思うよ。うん。でもなーー。うん、どうだろうなーー?それはーー?」
「なんだよー!その反応はー!」
「…折角諦めかけてたのにチャンス到来かよチキチョウ嬉しいけどアレだけど……。でもやっぱお前の悲しむ顔は見たくねーよ…うん…」
「え?なに?チャンス?悲しむって?」
「んーん、こっちのハナシ」
「そう?ま、とりあえず明日から一週間行ってくるね!」
「お、おう…達者でな…(心配だ……)」

―次の日―

「う゛っ…う゛っ……」
「まぁまぁ、ほれ、ビールもっと飲め?な?今日は思いっ切り飲み明かして、あの腐れビッチのことは忘れるんだろ?な?俺が付き合ってやるから!」
「う"、う"ん"……ひっくひっく」
「(マジであの腐れビッチ浮気してたとか…クソが……こいつ泣かすとかまじありえねぇ。こんなに泣いて……)ほーら、元気だせ?」
「う"ん"…っ。拓は、優じい"ね……」
「おうよ!ったり前だろ?よく聞け!俺はいつだってお前の味方だ」
「拓……!」


「なぁ……」
「ん"…?」
「俺にしない?」
「何が…?」
「恋人」
「え?」
「え、じゃなくて」
「え、だってそんな…」
「マジで」
「拓…酔ってるんでしょ?」
「酔ってねーよ」
「本当?」
「本当」
「ずっと、好きだった」
「え…!えっと…」
「今までさ、お前にはほら、恋人もいたし…俺達は親友だしさ、我慢してたけど……こんなことがあったんじゃあもうお前のことほっとけねぇよ…」
「拓……」
「俺のことは、徐々に好きになってくれればいい」
「で、でも……」
「絶っ対!大事にする」
「拓、お、俺…」


「……嫌なら、殴って止めて」
「え?」

―――ちゅ。



---fin---




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