『ストーカー』



――プルプル

「…あ、またこいつからか」

――ガチャ

「……もし」
「もしもし亮太?ちょっと何で電話出ないんだよー!さっきから俺ずっと掛けてたのにぃ」
「……いや、つかお前今更何を電話してくることがあんの?俺達もう別れたよな?」
「話したいことがあるから電話するんだよー。なのに亮太ちっとも電話出てくんないし」
「いやさっき家帰ったばっかで色々してたしそりゃ出れねぇ時もあんだろ」
「…本当にそうかなぁ?家の電気点いたのって夜八時半位だったよね?亮太あのドラマ好きだから九時までに帰って来たんだなーと思って思わずにやけちゃったよぉ」
「…は?」
「だから家着いてすぐとドラマが終わってすぐ電話したんだよ?ボクなりに気使ったつもりだったのに亮太ったら携帯見てすぐ閉じちゃうんだもん!」
「……おい」
「ねぇなんでボクからの着信とってくれないの?ボクは亮太がこんなにも好きなのに。電話くらい出てくれてもいいじゃない」
「……」
「ねぇ何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で」


――ガチャ

「…やべ、あいつこえぇ。…はー…思わず切っちゃった」



――プルプル
――プルプル

「……やっぱ掛かってくるよな、よし。携帯電源切っとくか」

――トントン
――トントン

「げ、玄関の前まで来やがった…」


――ドンドン
――ドンドン

「…まじこえぇ…こんなんどうすりゃいんだ…」


――ピンポーン

「は、はい…どなた…」
「ボクだよボク!ねぇ!開けてよ?外は意外と寒くてさー、まぁ亮太の為に待ってるのは全然苦じゃないから大丈夫なんだけどね?とにかくココ開けて?」
「おまっ、ああああ開けるわけねーだろ!なんかお前怖いんだよ!何しだすか分かんねーだろ絶対開けない」
「…ふーん……。あ、じゃあ開けてくれるまでここで待ってるね!」
「おいふざけんなお前マジ勘弁してくれよ!…また今度にしよ?な?」
「えー…また今度とか言って亮太のまた今度はいつになるか分からないもの。ねぇ亮太…開けてよ…」
「やっ、やだよ」
「開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて」

――ガチャ

「あ、やっと開けてくれたー!もう亮太ってば焦らし過ぎだよー!おじゃましまーす!」
「お、おう…」


「あれ?新しい服買ったの?昨日は無かったよね?しかもこれ亮太のサイズとは違うし…ねぇ誰の?ボク以外の誰をこの部屋に入れたの?そんなことしていいと思ってるの?亮太の家に入って良いのはボクだけだって言ってくれてたじゃない!しかもよく見たらところどころ亮太のじゃない髪の毛落ちてるし……なんか部屋の香りも若干違う。シャンプー変えたのは知ってるけどそれだけじゃないよね…?何この仕打ち……。ひどい…ひどいよ亮太…死んでやる…死んでやるから…」
「ちょ、まじ落ち着けって言っ」

――ザクッ、

「……え」



---fin---




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