黒川翔くんにプレゼント



今日は休日。久しぶりに一人でふらふらっとコンビニでも行こうかななんて思った俺は、すぐ近所で思わぬものと遭遇してしまった。


■誰に?
黒川翔  (俺と親友と)
■何をあげますか?
和哉君の事が大好きで、毎日回りをチョロチョロしてる将来有望な小学5年生! 翔君にプレゼントって言うか、嫌がらせ感満載(;^_^A
お邪魔虫をいかに撃退して、和哉君とラブラブするか!?(*´艸`*)



「なーかずや!」

「んもー、何!」

「オレと遊んでよっ!ねーねー!」

「もー、今日は駄目って言ったでしょ!」


道端で端(はた)からみれば微笑ましくも見える会話。一見小学校高学年位のやんちゃっぽい男の子と、一見中学生でも通るだろうって位の童顔な少年。

二人が並んで小競り合いをしていると、なんか兄弟みたいに見えなくもない。
だーが!


「……おい」

「ん?っあ!翔ー!!」


俺の言葉に振り向いた中学生位の少年――もとい、俺の恋人(ちなみにれっきとした高校生だ)は、俺の姿を確認すると嬉しそうにこちらに歩を進めて来る。


「おにーちゃん、…誰?」


対照的に小学生の方は怪訝そうな顔で俺を見つめ、のそりのそりと嫌々そうに歩いて来た。

こいつ、和哉に気でもあんのか?いやいや考え過ぎか…でも…
なんか俺を目の敵くらいに思ってそうなこの睨みっぷりは何なんだよったく。何か腹立たしい。


「何お前小学生といちゃついてんだよ」


苛々しながら和哉に向けて出た言葉に、我ながら心の狭さを恥じた。
でも、やっぱりどうしようもなく気になるし、むかつくし、和哉と仲良く喋って良いのは俺だけだー、なんて、みっともない位の醜い嫉妬心にかられてしまう。


「いちゃついてるように見える?」

「んーこのガキに好かれてるようには見えるな」

「ふふ、そっか」


そう言って和哉は、ガキの頭をよしよしと軽く撫で「僕はこのお兄ちゃんと約束があるから、またね」と言い残し、ガキに背を向けて歩き出す。


「翔でも嫉妬するんだね」


そんな事を言いながら、近所の見慣れた町並みを足取り軽く進む。


「何だよ、わりぃかよ」


ぶすっとした声色で反論すれば、「んーん、ただ」と言ってから、暫く間を空けて「今、凄い嬉しいの」と続ける。


「小学生にまで嫉妬しちゃう、可愛い翔。そんな翔がすっごく好きだよ」


そう言って和哉は、人目も憚(はばか)らずに腕を組んでくる。

いつもなら「こんなことして近所の人に見られでもしたら〜…」とかなんとか、すぐ振りほどく俺だけど、何か今日は、このままずっとこうしていたい。

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