04



――目が覚めるとそこには、いつもの見慣れた白い天井に、グレーの布団に丸まっている自分。
カーテンから差し込む光に目を細めつつ周りを見渡すと、やっぱりいつもの自分の部屋、いつもの自分のベッドの中に俺は居た。


あれ…?
確か昨日は、急に和哉に電話で呼び出されて、で和哉んち行ったらあいつがサンタのコスプレしてて、…なだれ込むようにその、アレして、しかも何か和哉が攻めてて、俺が達して…………〜!?!?

何だか嫌な感じがして、恐る恐る手を下半身にやってみる。

…あ、やっぱり…。

触れた瞬間「ベトッ」とでも聞こえてきそうな位、そこはぐちゃぐちゃで、どろっとした感触が手からも直接そこからも感じられた。


あー…。これが所謂、『夢精』。

しかも和哉に突っ込まれる夢とか…。本人に言ったら絶対同じ事しようとか言い出すよなあいつ…。恥ずかしくて絶対言えない。
つか既に恥ずかしくてちょっと暫くはまともに和哉の顔見れそうもないな。あーもう絶対今俺顔赤い!マジ恥ずい。

そんな事を考えながら、ふと枕元にある携帯を見る。今日の日付は12月23日。ちなみに午後7時、っていう。どんだけ昼寝してたんだ俺は。っつか昼寝で夢精とか情けねぇ…。


あー…、そういや明日はクリスマスイブか、和哉は明日何すんだろ。
出来れば、つーか絶対、折角のイブだし会いたいんだけど…。
和哉の事だから「クリスマス?家族と過ごすよ?」とか真顔で言いそうな気もする…。

ま、でもとりあえず聞くだけ聞いてみっか。

そう意気込んだ俺は、携帯の履歴から『桜田和哉』を探し通話ボタンを押そうとした、――その時だった。

―ブー、ブー、ブー

いきなり画面が着信画面に切り替わり、『着信:桜田和哉』の文字が映し出される。
こんな偶然もあるもんなんだなーなどと、ちょっとテンション上がりながら通話ボタンを押した俺は、あまりのデジャヴュさに度肝を抜かれた。


「翔。あのさ…

今すぐ会いたいんだけど」


俺は心躍る想いで一目散に和哉の家に向かった。
…ちょっとした不安も頭に過ぎった事は否めない。が、それもまた良しだろう。





---fin---




あ と が き

クリスマス番外編。一応言っておきますが
夢 オ チ で す … !
一応攻めは翔君の方でやらしていただいております。たまには逆もアリだけどリバになっちゃうしだったら夢オチにしちゃえ的なアレですえへへ。


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→「俺と親友と」まだまだ続きます★

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