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「なぁ、ハロウィンて知って」

「うん知ってるよー。主にヨーロッパで行われる10月31日のお祭りの事だよね。今や日本でも結構メジャーになってきたと思うよ。色んな説があるけどその日は」

「〜。ストッープ」


片手で和哉を制し、何故ストップを掛けられたのか全く分かっていない様子の奴の頭をわしゃわしゃと撫でる。

こいつは何でも知ってるな。何処でそんな知識拾って来るんだろ、って位に。博識なのはまぁ良い事だけどさ。


「?・・・翔、もしかしてハロウィン好きなの?」

「へ!いやいやいや」


我ながらびっくりする位裏返った不自然極まりない声が出てしまった事に驚愕する。
そんな俺を尻目に和哉は「あーハロウィン好きなんでしょー!可愛いとこあるなあ」とか言いながら、俺の周りをくるっと一周廻ってくる。おちょくんなバカ!


「じゃあさ、ハロウィンは僕んち泊まり来なよ!」


その一言で、俺の大好きな行事ゴホンゴホン。10月31日の予定が決定したのだった。



俺と親友と ハロウィン番外篇



「いらっしゃーい!」


開口一番俺はブッと鼻血でも吹き出すかと思った。何故ならばハロウィン当日たった今だが、和哉んちのインターフォンを鳴らして数秒後に俺を出迎えてくれた和哉のその姿がなんと、あの、えっと…


「ま、魔女?」


和哉は「うん、どう?」とやけに満足そうに、黒いヒラヒラしたスカートの裾を両手でちょんと摘んでみせる。まままさかの魔女コス…!


「えっと、ここは俺も空気読んで、何かするべき?」

「えー!そんな事言って、どうせ翔はやんないでしょ」


へらへら笑いながら、くるっと回れ右をしてそのまま家の中へ入って行く。あんまり大袈裟に動くとパンツ見えるぞ。誰得だよ全く…あ、俺得か。





なんだかんだでそのままリビングに案内された俺は、和哉の母親と三人で晩飯を食い(和哉の父親は今出張中らしい)、只今和哉の部屋でまったり寛(くつろ)いでいる。


「なぁ、お前の母ちゃん何も言わねぇの?」

「だってこれ、母さんが造ってくれた衣装だもん」


…全くもって色々と理解のあるお母様で羨しい。ありがとうございます。頂いちゃって良いんですよね?お母様!


「そっかそっか。んじゃま」


有無を言わさずにベッドに和哉を押し倒す。魔女のコスプレなんかしやがって、こんなヒラヒラのスカートなんか穿きやがって…!
俺は少し身体を離し和哉の上に跨がったまま、そのスカートをチラリとめくってみた。


「…おい」

「え、えへへ…」


少し照れながら俺を見詰める和哉。ゆっくり視線を下にやると、薄ピンクの女物のパンツから食み出る様に反り返ったモノが、俺の脳裏に焼き付いて離れない。これは一生…(オカズにならざるを得ない)。


「何でもう勃って…」

「期待、かなあ?」


・・・。
一気に色んなものが爆発した俺と俺の下半身は、そのまま照れた様子の和哉に貪り付く他無かった。(ちなみにまだ最後まで致せていない俺達は、今回もフェラまでなのである)






「つか、こんな下着何処で買って来たんだよ」

「いや折角だし…完璧にしたいなぁと思って」

「だから何処で」

「気になるの?…もう、心配しなくても、ネットだよ」


なんでか知らんが女物の下着屋に一人で入って行く和哉をイメージしていた俺は、心から安心した。俺はバカか。

満足そうにニコニコ笑いながらテーブルに置かれた小さいカボチャの置物を眺めていた和哉の頭を、そんな自分への憤りを込めて乱暴に撫でた。


「翔、お気に召した?」


目を細めながらそう問う和哉から無言で視線を逸らすと、急に俺の両頬を手で包み込んでそちらに無理矢理顔を向けさせられる。


「ちょ、なにすん」

「今度は翔のコスプレとか見たいなあ」


若干のしたり顔でそう言うと、そのまま俺の頬を軽くぐにーっと摘んでくる。
これは和哉のお願いなんか聞かなくても良いという事だろうか。きっとそうだ。クリスマスにサンタコスとか、和哉ならともかく俺がやるなんて勘弁だからな。

つか、和哉のサンタコスとか萌えるかも…いや確実に萌える。よし絶対させよう。
なんて今からクリスマスについて作戦を立てる、そんなハロウィンの夜。





---fin---




あ と が き

ハロウィンにupした番外編。時系列的には「えっち」より前のお話です。男の娘萌え…!


ここまでお読み下さってありがとうございました!よろしければ、ぽちっと押して頂けると嬉しいです。

→「俺と親友と」まだまだつづきます★

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