09
「よし、じゃ風呂入るか!」
「うん!」
っと、先程までとは打って変わって気丈にしているつもりな俺だが、和哉と風呂に入るなんて勿論初めてなのである。
今まで和哉とはその…、いちゃいちゃとか、そういう事はしてるけれども、一緒に風呂なんて初めてな訳で、それはもう、申し訳ないけど興奮してしまうだろう。
そして和哉が相変わらず「裸は恥ずかしい」なんてぬかすから、とりあえず俺が先に入る手筈となった訳だ。
ぱっぱと雰囲気ぶち壊しで服を脱いだ俺は、そそくさと湯舟に浸かる。何故“そそくさと”湯舟に入るのかというと…。
ま、俺も男だ。好きな人と混浴という一大イベントに向けて、俺の息子が騒ぎ出しているからに決まっている。
「早く入って来いよ!」
「う、うんー今行くー…」
若干開かれた風呂のドアから覗く和哉の透き通るように白くて綺麗な足。思わずゴクリと唾を飲んだ俺は、そのまま視線をゆっくりゆっくり上に上げる。
「ちょ、それは反則だろ…」
見上げた先には、真っ白いバスタオルを腋まで上げて器用に巻いた姿、所謂女が温泉とかでよくやるようなあの姿の和哉が居た。
「えへへっ。恥ずかしくて」
「バッ…お前、それむしろ……。いや、何でもねぇ」
「? う、うん。僕も入るよ?」
そうして和哉が一歩踏み出した瞬間だ。慎重に湯舟に入ろうとするその足の間からチラリと、スラッと伸びる細い足と共に、普段は下着で隠れている筈のそれが垣間見えた。
「〜!?」
――チャポン。
本来一人用であろう浴槽に、高校生男子が二人ぎゅうぎゅう詰めになって浸かる。
密着する素肌が心地好くて、くるりと和哉をこちらに向かせ向かい合う形にさせた。
「ふぅー…。気持ち良いねぇ」
「お、おう…」
俺は気が気じゃなかった。目線だけを一瞬下に向け、互いの下半身を視界に入れればやはり、和哉も俺もギンギンに反り勃ったモノが窺える。
襲ってしまいそうになる衝動をなんとか抑えていると、「洗いっこしよう」という和哉の提案でそのまま二人は浴槽から出る事になった。
備え付けのプラスチックの椅子に和哉を座らせ、手の平サイズのスポンジにボディソープを付ける。
まず背中、腰、腕…念入りに擦ってやった。「前、やるか?」と俺が聞くと、照れ臭そうに和哉が頷くから、俺は躊躇無く前に回り込む。
「和哉、足閉じ過ぎ」
「えぇ〜だって」
「全部洗ってやるから、足開け」
そう言って無理矢理和哉の両足に手を差し入れて開かせる。その間に入り込んだ俺は、手に直接ボディソープを付けて和哉の薄い胸板にそっと手を触れる。
「やぁ…なんか翔、エロイ」
その言葉を聞いた俺は何かのスイッチが入ったようにニヤリと口元を上げ、和哉の胸の突起を念入りに撫で上げる。
ぷつんと膨らむそれを指でくにくにと摘んだり離したりする度に和哉から漏れる喘ぎが、風呂場に響き渡って異様に興奮する。
俺は胸を弄るのを止め、徐々にその指を下に滑らせ腹の辺りを撫で回し始める。
下っ腹までいくと、もうすぐそこには和哉のソレが、何かを主張するかのように俺の手に当たってくる。
「ココも洗うぞ」
そっと、触れた。ビクビクと波打つそれは、何者でもない俺の愛撫でこんなに硬くなっているのだと思うと堪らなく愛おしく思う。
指を輪っかにして根元から擦り上げていく。和哉は亀頭に皮を被せるように擦られるのが弱いから、そこを執拗に責めていく。
「っあ…っあ、もぅ、翔…」
和哉はわなわなと震えながら俺の手に手を重ね、そこから離そうとしてくる。
もう限界が近いのだろうと察した俺は、その手引きに従う事無く更に激しさを増して扱いてやる。
「やっ…出ちゃ…っ」
暫く続けていると、和哉の喘ぎと共にピュ、ピュ…と白濁色の液体が先っぽから留まる事無く溢れ出てきた。
自分の手にだらだらと零れるそれを全て受け取め、見せ付けるように舐めて見せた。
「しょぉ…汚いよ…」
「美味しいに決まってんだろ?」
「もぉ…」
ふにゃりと笑顔を見せた和哉は、壁に掛かっているシャワーを取ろうと立ち上がる。…そんな事はさせないぞ和哉。洗い流すのはまだ早い。
和哉の伸ばした手を制し、まだ座ってるようにと促す。和哉はしぶしぶ俺に従い、ちょこんと椅子に座り直した。
「…ね、僕も翔の、触りたい」
俺の股間に手が伸びる。少し触れられただけでビクッと反応してしまうのは、今まで待ちに待ったという期待感からだろうか。風呂場という異質な場所も相重なって、凄くこう…クる。
「っ…は」
「翔その顔、…そそる」
そう顔を覗き込まれ、ゾクゾクした。何ていうかこう、少し和哉のSな部分が見えた気がしたのだ。俺はそんなMなつもりもないのだが、和哉相手にならMにだってなれるのだろう。
「…あっ…っ…」
「気持ち良い?」
和哉の問いにコクコクと首を縦に振る。和哉は満足そうにそれを確認すると、一気に扱く手のスピードを速めてくる。ちょ、それやばいマジ出るっ…
――ドピュー…
大量に溢れ出る俺の精子を、和哉も先程の俺のように全て掬い取って、見せ付けるようにチロリと舐めてくる。
これ、見せ付けられてる方は思ったより恥ずかしいな。
「ちょ、お前まで舐めたりすんなよ…」
「えへへ。だって。好きな人のだと思うと、愛しくて堪らないよ…翔」
「………バッ」
どちらからともなく抱き合う。腹に付いた互いの精液がべとべとするけど、それもまた、愛おしい。
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