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お久しぶりです妄想大好き弟大好き変態お兄ちゃんこと、佐久間卓也です。
最近は夢のような出来事の連続だったもので、何かある度に自分の頬をつねっては夢じゃない事を確認してホッとする毎日を過ごしています。
弟Festival 番外篇 プール
俺の大好きな優…。優、優、優。
ちょっと前まではただの兄弟だったのに、今では俺と優はなんと恋人同士なのだ。(そう言いながらまた頬をつねって現実である事を確認。…ホッ。)
幸せ過ぎて吐きそう。ついでに精子も出ちゃいそう。
そんな事を考えながら、リビングのソファーに座ってニヤニヤと気持ち悪い顔を緩ませていると、愛しの優が何やら嬉しそうにパタパタこちらに駆け寄って来た。
「にーぃ!」
「どうしたんだぁ、優?」
「えへへぇー。見て見て!」
優がポケットから取り出した二枚の紙切れには、『特別優待券:○×ジャンボプール』との文字。
あぁ、プールのチケット貰ったんだな優。お友達と行くのかな?スライダーとか楽しいもんな、暑いからな、プールいいよな。
…プ、プール?み、水着…!
「あ、ははは。よよよ良かったなぁ優!お友達と行くのか?」
声が裏返りそうになりながら、そう聞くのがやっとだった。
今リビングの先のキッチンには母さんも居る。下手な事は言えない。あくまで普通の兄弟の会話をしないといけないのだ。
ででででも!優の折角の水着姿を拝みたい…。昔みたいにコソコソ変な妄想をしなくても、良いんだもんな。
「お兄ちゃんとプール行こう!是非!マジで!水着見せて!…見せて下さい…っ!」とお願いしたいのをぐっと堪え、取り繕った笑顔で優を見た。
「あれぇ…」
「どどどどうしたんだっ?優!」
「僕…にぃと行こうと思ってたのに…」
しょんぼりと肩を落とした優が、目に涙を溜めながら俺を見上げる。あぁ!そんな目で見つめないで優!今すぐ抱きしめてしまいたい!
でも、あまり不自然な行動は取れない。隣に座るように優に促し、大人しくちょこんと隣に来た優の頭を優しく撫でながら小さな声で優だけに聞こえるように、
「お兄ちゃんも最初からそのつもりだよ、優。一緒にプール行こうな?」
そう言うと、ぱああぁっと表情が打って変わって嬉しそうにこちらに擦り寄ってくる優。
はあぁ…可愛い可愛い可愛い今すぐ抱きしめてチューしたい。ハァハァ。
優を見ていると直ぐに襲ってくるこの類の欲求に堪えながら、母さんに「明日優とプール行ってくるー」と手短に伝えた。
「はいはい、優のこと宜しくねー」と返って来た返事に一安心した俺は、明日のプールが楽しみ過ぎて今日の夜は眠れないな、と覚悟を決めた。
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