01



「ねぇねぇ翔?」


ふと、和哉が俺の服の裾を引っ張ってきた。

「ん?」

何だ何だ、可愛いな…とか考えながら、ちらりと和哉の方を見て答える。

「僕達って、恋人だよね?」

「お、おう。何だよ急に」

「近い内に、僕の家に来てくれる?」

「ん、行く行く!」


なんだ、これは。お誘いって事なのか…?この前学校で仕掛けようとしたら見事に拒否られたからな…、遂に和哉とそういう事を出来る日が…


「僕の両親に紹介するから」

「ちょおっと待て!」

「え、何?」

「何、じゃない」

「だって紹介しないと!初めての恋人だもん」

「しかも、男、だろ?」

「?…何言ってんの?そりゃあ翔は男でしょ?」

「いやいやいやいやそうじゃなくてだな!」

「何だよー。親に黙って交際なんて、翔君ダメだよ?そんなの」

「お、おぉ…」


…ん?俺はどうしたら良いんだ?何が正解なんだ…?まさか和哉がそんな事言い出すなんて思いもしなかった。


「ん〜……。わ、分かったよ、行ってやろうじゃないか!」


和哉が満足そうにニコニコしていた。

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