01



「…さあ…飲んで…」

「ん゛っ…、ん゛んっ…!」

「全部飲み干せよ…」

「…んぅ…!」

「ほら…和哉、早く飲んで…」

「ん゛んん〜!」


和哉が苦そうに顔を蹙(しか)め、俺を見つめてくる。
しかし和哉はそのままソレをゴクゴクと飲み続け顔を歪めながらも、飲み終わる頃にはいつの間にか晴れやかな表情に変わっていた。


「っはぁ〜!まずいっ!もう一杯っ!!」

和哉の手に握られたコップには、先程までその中に入っていた緑色の液体が縁(ふち)に少し付いていた。


「しっかし、お前青汁なんてよく飲めるよなあ〜!すっげ、俺には無理」

「まぁね。ってか翔?無理矢理飲ませようとするなんて趣味悪いよ?」

「ははっ…、わ、わりぃ…」

…顔を歪めながら青汁を飲む和哉の姿に、実はちょっとその気になってきたなんて、言えない。俺は少しSっ気があんのか?

和哉が笑顔でいれれば勿論それが一番俺も嬉しいんだけど、和哉が嫌そうにしてる姿も何か萌える気がする。
そんな事言ったら真剣に怒られそうだから言わないけど。


「でもね翔っ!そうはいっても最近の青汁はかなり飲み易く改良されてきたんだよ?体にも良いし、悪い事なんて一つも無いんだからねっ!」


そんな俺の気持ちをよそに、若干健康ヲタク気味である和哉が目をキラキラさせながら言う。


「…さいですか」

「なにそれ興味無さそう!」

「だってまじーんだもん」

「むぅ…」


頬を膨らまし拗ねる素振りをする和哉。その膨らんだ和哉の頬を人差し指でツンツンする。
透き通った綺麗な肌…柔らかくて、気持ち良い。



「だからさっ、翔も青汁飲んだ方が」

「断固拒否する!!」


いくら和哉の言葉でも、それだけは勘弁だ。





---fin---




あ と が き

なんか「アレ?これ何飲んでんのまさかまさかぐふふふ…!」みたいなのがやりたかったんです。ただの青汁なんですけどね。


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→「俺と親友と」まだまだつづきます★

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