01
季節は夏です。と、いうことは今日の体育は勿論プールな訳で。
今はプールの授業が終わって、更衣室でだらだらと制服に着替えている最中だ。
…って、アレ?
何で皆いねぇの?
「…翔!…翔ってば!」
体が揺らされている。ん?何だ?…気のせいか………んん…
「…はっ!」
がばっと起き上がる。案の定、俺は眠っていたようだ。
「ねぇ、翔。翔はいつでもどこでも寝ちゃう人なの?」
和哉が俺の隣に座って呆れ顔でそう言う。俺も和哉もまだ水着姿のままだ。
「んー…つい、な」
「つい、な。じゃないよーもうっ!ありえないよ普通!みんなビックリしてたんだから!」
和哉は俺が眠りこけるのを見て、自分がちゃんと起こすからとクラスの奴等を全員先に教室に行かせたらしい。 ありがとな、和哉。
「わりーわり。つかお前も着替えないで待っててくれたのな?」
「そっ、そだよ!早く着替えちゃわないと、次の授業始まっちゃう!ほらほらっ!」
いやしかし、誰もいない更衣室に水着姿の恋人と二人きり。ちょっとムラムラしてくるのは男として当たり前の感覚だよな?
「…な、和哉…」
和哉の身体を引き寄せ、ちゅ、と唇にキスをした。
「…!…っもう、翔っ!」
不意打ちのキスに赤面になりながら片腕で顔を隠し、目を伏せる和哉。そんな和哉が堪らなく可愛く見えて、思わず股間が反応する。…よく見ると和哉のソコも…
……やばい。興奮してきた。
「…なぁ…、和哉…もう少し…」
「駄目だよ翔っ!チャイム鳴っちゃった!次ここの更衣室使うのって女子の番じゃなかった?!」
「…へ?なに、マジでか?」
焦る和哉をよそに、更衣室に続く廊下の奥から女子がわいわい騒ぎながら歩いてくる声が聞こえてきた。
うちの学校の更衣室は女子と男子を交互に分けて使うから、俺達が今いる更衣室を次使うのは女子、って訳だ。
んー…このままじゃ、やばいな。
「和哉!こっち!」
「え?え?ちょっと待って」
――バタン。
――きゃはは!きゃは…
更衣室のドアが開く音と共に、先程まで廊下の奥から聞こえていた女子達の声が、今度は更衣室の中から聞こえて来る。
そんな声を、更衣室最奥―誰も使っていないロッカーの中から聞く二人。…俺と和哉なんだけど。
「…ちょっと…翔…!」
「しっ…喋んなよ…バレんだろ」
「だって…こんな事…駄目だよ…っんん!」
人二人が入ってぎゅうぎゅう詰めになっているロッカーの中で、和哉が周りにバレそうな程の音量で喋ろうとするので、手で和哉の口を塞いだ。
今俺達はそんな狭いロッカーの中に向かい合わせで隠れている。
どうせ女子が着替える間だけだし。授業が始まっちゃえば出れるし、大丈夫。…そう思ってた。
「んん!っはぁ…し、翔…」
口を塞いでいた手を離すと、和哉が小声で息を吐く。身長差があるからか(俺はかなり背が高い)、俺の胸あたりに和哉の息がかかり、くすぐったい。
暑い夏の日、こんなロッカーの中で大好きな人と裸同然で密着してるなんて…やばい。頭がクラクラしてきた。
と、そんな邪な事を考えていると、徐(おもむろ)に和哉が俺の背中に腕を回し、ぎゅっと抱き着いてきた。
「なっ…和哉…?」
和哉の耳元で囁く。ぎゅっと密着し合った俺達は、どことなく足を擦り寄せて絡み合っていた。和哉の下半身が、反応しているのが伝わる。俺だって反応している。
少し身体を離してから、下半身をピタと合わせる。互いに水着を盛り上がらせているソコが触れ合い、生温かい感触がした。
…あぁ、やばい。
手を伸ばし和哉の股間を優しく触り始めたその時、更衣室が静かになった。
「んっ…、翔…翔、ってば」
「んだよ……良い…だろ…?」
「…よ・く・な・い!」
パッと俺から離れた和哉が、そのままの勢いでロッカーを開ける。
「おいっ!まだ誰か残ってるかも」
「ほら、大丈夫!ほら、いい加減早く着替えて行かないと!」
ロッカーの外から和哉が焦りながらそうせかしてくる。
…はぁ。そういやこいつは、クソ真面目なんだった、な。
「…はいはい」
---fin---
あ と が き
プールとか更衣室とかロッカーに隠れてドキドキして下半身もドキドキしちゃうみたいなシチュエーション萌える!ってことで書いたちょいエロです。エロになってるのかな…おあずけプレイですね。
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→「俺と親友と」まだまだつづきます★
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