06




夜、風呂からあがって部屋に入ると、俺の携帯がピカピカ光っていた。
メールかな、誰だろう、とベッドにどさっと腰掛けて、携帯を開いてみると



日付  11/07/01 20:12
送信者 miki.0125@docomo.ne.jp
題名  初メールします。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

今晩はo(^-^)o
小泉美紀です。

今日は、ありがとうございました。

これから、たまにメールしても良いですか?

       -END-



あ、美紀ちゃんか。すっかり忘れてた。
俺は美紀ちゃんに当たり障りの無い返事をして携帯を閉じベッドに横になった。

はぁ…。いつもなら今日の告白だってこんなメールのやりとりだってテンションが上がるはずなのに、俺が今1番テンション上がっている事柄といえば……
なんと、明日和哉んちに泊まりに行ける事なのだ。

むしろ、美紀ちゃんという存在が煩わしくさえ思えてくる。
おかしいな、俺は。

基本的に女友達とかも居ないし、あんまりよく分からない。
「分からない」で終わりにするのは逃げなんだろうけど、分からないんだ。

そういえば和哉が女と付き合うとか、浮いた話って聞いた事無いな。
顔は良いしモテそうなのに、馬鹿でクソ真面目なのがいけないのかな。

そんな事を思っていると、和哉から電話が掛かってきた。


「もし?」

「あ、もしもし僕だけど。」

「あぁ、そうだろうな?」

「ん。あのさ、明日のことなんだけど、親御さんに泊まりの許可貰えた?」

「は?」

「だから、許可。貰えたの?」

「あー…。聞いてないけど、あとで言っとくよ、つかそんな事で電話掛けてきたのかよ」

「な、なんだよそれ!僕はせっかく…」

「女ならともかく、俺は男だし和哉んち泊まったことだってあんじゃんか、大丈夫だろ普通。このクソ真面目がっ」

「ちょっ…!むぅ〜」

「むぅとか言うな。可愛くない。」

「…ひどい翔。」

「っせーよ。ま、明日楽しみにしてっから!」

「うん!宿題がメインだけどね?学校終わったらそのまま来る?」

「宿題もやる!やるけど、な。つか、着替えてから行くわ」

「ん。じゃ、晩御飯用意しとくから!」

「お前は俺の彼女かっ!」

「あははっ。でも僕言っとくけど、料理うまいからね!」

「おっ、そんな自信あんだ?」

「勿論。翔に振る舞うのは初めてだよね、気合い入れて下ごしらえしとかないとっ、…っと、下ごしらえしないと!じゃ、また明日!」

「ちょ、お、おいっ」


―ガチャ。ツー、ツー。


切れた。あいつは全く…。
でも、俺の為に飯用意してくれるなんて嬉し…アレ?なんでこんなにテンション上がってんだ?俺は。


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