03
「…う…!」
「…しょ……う!」
何だ…?うっすらと頭の奥に和哉の声が響いてくる気がする。
「…しょう…翔!」
ゆさゆさと身体を揺らされて、俺は漸く目を開いた。あ、俺目閉じてたのね。つか、寝…てた…のね。あー…また和哉に攻められる夢見てたわけだ、俺は。
「んー…はよ」
「はよ、じゃないよ翔!いっつもいっつも気付いたら寝てるんだから翔はー…。そんなんで夜ちゃんと寝れるの?明日も学校あるんだから十二時には寝るんだよ?」
「十二時て…」
「僕は十一時には寝てるもん。お昼寝ばっかりしちゃ駄目でしょー!」
「つかさ、そんな事言うならもっと早く起こしてくれればよかったじゃん?何、俺の寝顔に見惚れてたとか?」
「なっ…!ちが、違うもん」
こんな言葉に照れだす和哉がたまらなく可愛い。つか俺の寝顔にそんな見惚れる要素もないと思うけど、こんな態度見ちゃったらこいつマジで俺の寝顔眺めてたんだろうかと思う。なんだ顔がにやけるぞ。
目を泳がせながら俯いて、真っ赤なリンゴちゃんになった和哉をそっとこちらに引き寄せて抱きしめる。
ふわりと香ってくる和哉のシャンプーの匂いを嗅ぎながら俺は、さっき見た夢の内容を言うべきか言わざるべきか悩みに悩んでいた。
「なあ」
「ん?なあに?」
「昨日、お前んちで俺寝ちゃってただろ?」
「…そうだよ翔は寝ぼすけさんなんだからもぉー!」
「どんな夢見てたか教えてやろうか?」
「……?」
耳元で低く、夢の中での和哉の仕業を詳しく教えてやると、和哉はそれはそれはもう顔を真っ赤に染めて、仕舞いには俺の背中をばしばし叩いてきた。
「たっ…痛!」
「もぉ…翔ってばもぉ…!」
すげー照れ屋のくせして、意外なところで積極的だったり(女装とかな)、本当何から何まで可愛い俺の恋人。
いつか俺が掘られる日が来るとしても、和哉がそれを本当に望むのなら、俺はいつだって受け入れてやるからな。
---fin---
あ と が き
こちらはリクエストいただいた番外編になります。「和哉君攻めで本番」というリクエストだったのですが、逆カプになってしまう為夢オチ仕様とさせて戴きました。
なんか連続の夢オチで翔君これ実は攻められたい願望あるんじゃないかなとニヤニヤしてしまいますね
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→「俺と親友と」一旦ここまでです。いずれまた番外編でお会い出来るといいな。
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