02



「…っ…ちょ…かず…や」

「ん…なぁに?」


最初は触れるか触れないか位の軽い感覚で肌を這っていた和哉の唇は、いつの間にかそこを舐め廻すような大胆なものに変わっていて。
いつもとは違う積極的に攻めてくる和哉の姿勢に戸惑うと同時に、素直に感じてしまっている自分もいた。

でもこのままじゃちょっとまずくないか?なんかこの流れだと俺、和哉に掘られ…


「…ひっ!」

「翔、だめ?」


さっきまで俺の上半身を弄り倒していたはずの和哉は、いきなり尻をぎゅっと揉んできた。思わぬ刺激に無意識で声が出てしまう。
俺の反応に驚いたのか、和哉は一旦手を止めて心配そうな、子犬のような潤んだ目で見下ろしてくる。その目は反則だ。


「や、駄目っていうか」

「僕も…翔が欲」

「みなまで言うな」


分かってる。お前の気持ちは分かってるよ、和哉。だから俺は拒んだりしないし、うん、今日はお前に大人しく抱かれてやる。


「和哉…好きだ。愛してる」

「うん…僕も…!」


しっかりと愛を確認するように互いを見つめ合う。暗い部屋の中では和哉の顔もぼんやりとしか見えないけど、幸せそうな暖かい表情をしていることだけは分かる。そんな表情をさせているのはこの俺で、そういう小さな発見で自分も一気に満ち足りたような幸せな気持ちになる。
うん、俺もお前と同じ気持ちなんだ。

どっちがどっちに挿れるとか、そこが重要なんじゃなくて、二人が一緒で、繋がるってことが何よりも大事なんだよな、和哉。
あ、こういう事前にも思った気がする。


「和哉…」


ゆっくりと、和哉に手を伸ばす。


「うん、翔…」


そのまま和哉は俺に覆いかぶさるように生身の身体を密着させて、きつく抱きしめ合う。
既に二人共、直接そこを触った訳でもないのにしっかり反応してて、反り返った互いのそれが腹の辺りでぶつかって、ゾクゾクと熱が余計に集まっていくのが分かる。

恥ずかしさとか、緊張もまだ多少はあるけど、それより興奮とか期待の方が全然勝ってる。やばい。
優しくしてくれよ、和哉…






「…んっ…あ…あああっ」

「……きっつい…っ…しょお…大丈夫?」

「だい…じょうぶだ…っ」

「…っ…うん…すきだよ…翔」

「…あっ…あんま動くな…」


ベッドの上で四つん這いになって尻を突き出した何ともグラビアっぽいこんなポーズを、よもや自分がすることになるなんて思ってもいなかった。
ましてや相手は男で、ちょっと前まで普通に親友だった奴で。

一般的には出す為に作られたその後ろの穴に和哉のあれがぎゅうぎゅうに挿れられて、もう腹の中はきつきつでまともに息も出来ない。

ただ、満たされたようなあったかい気持ちと、背後から聞こえる和哉の気持ち良さそうな吐息で俺の心は充分に満たされていた。
和哉も和哉で、一応これで童貞を捨てたことになる訳で、初めての挿入感に異常に興奮しているようだった。


「…っ…や…は……ちょっと、動くよ?」

「んっ……んっ……ああ!」


了解の意でコクコクと頭を垂れると、和哉はゆっくり腰を動かして、結合部分をそれが擦っていく。

抜き差しする度に漏れ出てしまう俺の喘ぎに、和哉は何度も何度も優しく「大丈夫?辛い?」と聞いてくれて、俺はふるふると首を横に振る。
全く辛くないなんて言ったら嘘になるけど、それよりもこういう形で和哉と繋がれている事が嬉しいし幸せだし。
何より和哉にいつもそうやって、こんなに負担をかけていたんだなと分かったから。





「…あっ……う…っ…はっ…やば…出ちゃう」

「…っ…和哉……いっしょに」


ゆっくりと出し挿れを続けていた和哉は、やがてそう言うと俺の腰を掴んでいた手を少し強めてグリッと中を掻き回すように腰を動かす。


「…あっ…あ……出る…っ」

「…ん…っ…ぁ…俺も……っ」


やっぱり一緒にイキたい。そう思ってた俺は、さっきから自分でゆるゆると擦っていたモノをより強く握って扱き、二人共ほぼ同時に白濁色のそれを吐き出した。


「――…っ!」

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