『総司さん、総司さん!!』


「どうしたの?名前」


『梅が庭に咲いてるんです!雪も降ってきましたよ!!』


「梅か……土方さんを思い出すね。

"梅の花 一輪咲いても 梅は梅"

ってね」


『あの頃は毎日が楽しかったですよね。

総司さんが土方さんの句集を盗んで、怒鳴られて、追いかけっこになっちゃったり……

そんなありふれた日常がとても幸せ…で、なの…に…っ』


「名前…」


『今は総司さんと一緒で幸せだけ…ど、この時まであの梅と雪のように消えちゃったら…あの頃の思い出みたいに消えちゃったら……って思う…と……』


「じゃあ名前、約束しよう。来年も二人一緒にこの梅を見るって。

花は散っても、約束は消えないでしょ?」


『…はいっ!!』





そうやって約束したのに、





あれから半年が過ぎた頃貴方は労咳が悪化して、


「御免。君を一人置いてくことになっちゃって……







いつまでも





愛してるよ」



なんて言って亡くなってしまいましたね





総司さん、



今日はあの約束をした日ですよ


あの日が甦ったかのように雪も降っています


けど、あの日と違うのは私の隣に私の愛する貴方がいないこと――




総司さん、貴方もこの空のどこかでこの梅を見ていますか??



いくら時代が変わろうとも私は、この梅とあの約束と、最愛の貴方のことを忘れず生きていきます







だから、






もし来世があるというなら――






また貴方に逢って、また貴方を心の底から愛します――




と、この梅に誓い、一人涙を流す―――







→アトガキ



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