「はあぁ―…」


―現在 6月19日 17時30分―


いつもなら帝人や杏里、そして彼女である名前と一緒に色々な場所に寄り道して放課後を楽しんでいるのだが、今日は帝人と杏里は委員会、彼女の名前に限っては、


『ごめんね、今日用事あるから先帰るね!!』


と言って先に帰ってしまった。よって、買い物している人や放課後を迎えた制服姿の学生たちで溢れかえっている池袋の街の中を一人歩いているわけなのだが、


「って、あれ…??名前…??

…―っ!!?」


用事があるからと言って先に帰った彼女の名前。
その彼女が店の立ち並ぶここの通りにいるのは分からないでもない。しかし、一緒にいる相手が女友達でなく――


「臨也さん―……」


…そう、彼が苦手な情報屋と呼ばれる折原臨也だったのだ――。



「凄い笑顔だし…、用事っていうのは臨也さんに会うことだったのかよ……っ」


そういって彼はその現場から目を背けるように早足で去っていった――




prev next


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -