2017クリスマス・上


お題箱にいれてくださった方々ありがとうございます。
ちまちまやっていけたらと思ってます。
夢主いっぱいの→兄弟→弟、が、特に多かったので、弟で書きました。下は18歳組の予定です。


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「たいちょーメリークリスマス!!プレゼントくれ!!!」
「揺るぎなし弟くん」

目の前に駆け寄ってきた弟くんが迷いなく手を差し伸べてくる。
アグレッシブなプレゼント恐喝怖い。

「ちょっとちょっとー、もう両手にいっぱい持ってるじゃないかい」
「すごいでしょ?クリスマス最高だぜ」

えへえへと弟くんはご満悦なのか嬉しそうに笑っている。
手元に複数ある紙袋を見ると、ラッピングされた大小様々な箱や袋。
誕生日非公開、ということになっている弟くんは、クリスマスに誕生日と兼用で物を送られることがおおく、こうして毎年両手をいっぱいにしているのだ。
しかし親馬鹿ならぬ隊員馬鹿の俺には、それが可愛くて尊い。
両手にプレゼントをいっぱい持って、ご満悦な冬服弟くんがクリスマスツリーの隣にでも立ってみたらだな、可愛すぎてその場に崩れ落ちる自信がある。
弟くんじゃなくて、他の隊の子でもなるから、3回は膝から崩れ落ちる自信がある。

「重そうだね」
「すっげ重い。たいちょーの車あてにしてる」
「あ、はい」

既に俺の車は配送車の扱いであった。
有無を言わせぬ弟くんに思わず頷き、そして俺は白衣の懐からすっと黒い封筒を差し出す。

「そんな弟くんにはこちら、クリスマスプレゼントになりますー」
「やったぜ!……ま、まさかこの小ささ薄さ…!」

弟くんは紙袋をごすっと床に置いて俺の差し出した封筒を手に取る。
そしてその形状に見覚えがあるのか期待の眼差しでその場で封を切った。

「!!!!!!!!!!!」
「嫁のご課金にご使用ください」
「やったー!隊長よくわかってる!!!俺の事ほんとよくわかってる!!!」

電子マネーで此処まで喜ぶ子もそうおるまい。
先日某アイドルのアプリのガチャが年末鬼畜だと嘆いていたので、少しもお役に立てるように、金銭面のご助力にしてみた。
その場でごろごろと転げ回るんじゃないかというぐらいの勢いで弟くんは喜んでくれて、俺も嬉しくなる。
そして一頻り喜んだところで気が済んだのか、しゃきっと切り替えた顔で手を上げる。

「よし!じゃあ俺次のところ行くから!」
「次があるのね…、じゃあ一回それ預かろうか?」
「いいの?」
「俺の車でしょ?さきに積んでおくよ。また増えるだろうしね」

このままだと確実に弟くんはプレゼントに埋もれて動けなくなるとしか思えない。
一度積んでおいた方がいいだろうと頷く。

「ありがと、たいちょー!じゃまたあとでねー!」

紙袋はその場に置いていくくせに、俺があげた物はちゃんとポケットに入れて持っていくところが、俺は一応隊長だと思われているみたいでちょっと安心した。
こういう時だけ俊足の弟くんはあっという間に俺の視界から消えて、床に置いて行かれた紙袋の量に憂鬱な気持ちになりながら手に取ったところで、見覚えのある顔が階段を上がってきた。

「あ、東ちょうどいいところに。手伝ってくれない?」


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