6 転送されたのは市街地だった。 国近にステージセレクトの権利を渡したが、やっぱりスナイパー有利の地形を選んだか。 『転送完了。レーダーに映るのは緑川くんだけです。他三名はバックワームを起動しているようです』 「みかみかナイスー」 俺は直ぐにバックワームを起動して手近なビルに入る。五階くらいの高さにいれば、大体見下ろせるので、俺はそこからライトニングを構える。 その時、ライトニングが窓から出すぎないように注意。スコープが光ったりしたら、居場所がばれるからね。 「くがー、左手前から犬のように緑川が走ってきてるぞー」 『リョーカイ』 状況把握に辺りを見渡していると、バックワームをつけていない空閑に向かってわんわんと緑川が近づいていた。うむ、流石緑川、狙い通りだ。 空閑がいれば緑川が絶対につれると思った。どう考えても、向こうの陽動は緑川だろうし。 これで一人、位置確定だなと思うと、もう一人、良い獲物が。ライトニングを下して位置情報をレーダーにのせる。 「おっと、米屋がいるじゃないか…。辻ちゃんいったん足止めて」 『了解です』 「みかみか、マーカー」 『つけました』 「じゃあ辻ちゃん、みかみかのアシストに従って米屋の足止め。とりまるー」 『急いで辻先輩の方へ向かいます』 辻ちゃんには空閑との合流をお願いしていたが、米屋の位置が近いなら先にそちらを足止めしてもらいたい。 また姿を消されたら厄介だからね。 佐鳥やとーまに動きはない。 多分向こうも俺を探しているんだろう。 「とーまはどこかなー」 『狙撃位置割り出し完了しています』 「みかみか出来る子ー。流石風間さんお墨付き」 『っ、ありがとうございます!』 「うんうん。引き続きよろしくね」 『はい!』 佐鳥はまぁ放っておいても目立つからそのうち見つけられると思うけど、問題はとーまだ。 他の人間が言うに、俺のことは絶対に撃たないってことらしいので、俺も一応その意見にのっかっているけれど。 果たして本当なのかどうか…いや確かに、カゲたちとのランク戦の時は助けられたけどあれってたいちょーを助けるためでしょう?って言ったら辻ちゃんととりまるとみかみかに盛大にため息をつかれた。遺憾だ。 しかし俺を撃たないと言うことは他を撃つと言うことで、とーまの腕はもちろん知ってるから、一番の脅威だ。 だからいの一番に退場いただきたいのだが、あいつクソ遠いところからでも狙撃してくるからな…。 米屋をどう料理するかで炙り出せるかなぁ。 俺は窓から少し離れてライトニング構えた。 |