12 国近により首をゆすぶられているくぐい。 本日二度目の光景だ。 「うわぁああああああああんもういやぁあああああ」 「国近が俺に勝とうと思うところから間違ってたんだって」 「すっごいムカつくぅ!!!!!」 「あはははは」 喚く国近をつぐみが笑う。 身長はくぐいの方が小さいせいか、兄弟喧嘩のように見える。 「もうやだ!絶対くぐいとは遊ばない!」 「マジで?俺今日TRPGやろうかと思ってたんだけど」 「えっ……やりたい」 「じゃあやろう」 「うん」 おまけにけろっと仲直りしていて、辻は思わず他のメンバーを振り返った。 緑川と空閑は緑川のリベンジということで、再度仮想戦闘室に消えている。 烏丸がしみじみとつぶやく。 「あの二人、なんだかんだ仲良いですよね」 「常にあんな感じだな」 「うらやましい!」 当真が頭の後ろで腕を組み、佐鳥がどちらに対しての言葉かわからないような事をつぶやいていた。 「すげー巻き込まれた感」 「現に巻き込まれたからな」 米屋の言葉に、辻が同意する。 よく分からない子供の喧嘩に巻き込まれたような感覚だが。 ぐるりとメンバーを見回す。 いつもと違う戦闘ができたという点では、有意義な時間だったのかもしれない。 |