実況席 『おおおおお!当真先輩がベイルアウト!』 『やっぱり狙ったな』 『うちのスナイパーは好戦的でして。隣の人もだけど』 『ハハハ』 『しかし、これは一体…?』 『国近達の作戦としては、米屋を囮に、くぐいを撃たせるつもりだったのでしょう。ただ動きがなかったので、当真が烏丸を撃ったようですが…』 『それをくぐいがライトニングで撃ち落としたね。そこで逆に狙撃位置が割れて佐鳥が狙った』 『佐鳥は破天荒おちゃらけで実力がぼかされやすいけど、あれでいて凄いからね』 『そうだな。あれでいて戦力として強い。ツインスナイプかつイーグレットで、壁抜き狙撃をしようとしたんだろうな…それで、あれはどういうことだ?』 『つぐみさんの技術は日々進化しているんですよ』 『おっと、それはつまりどういうことでしょう?』 『バイパーだね、あれは。くぐい自体は、もう一つ後ろに建物にいたけど、建物を経由させることで、まるでそこから撃っているみたいに見える』 『佐鳥ははやまったな』 『そうそう。国近の弾道解析を使えば、狙撃位置は割り出せる、でもそれを待たず目視で狙撃位置を確認してしまったから、つい撃ってしまった。スナイパーは基本、1発毎に位置を変えるからね』 『スナイパーの心理を逆手にとったな』 『なるほど。くぐい先輩は、佐鳥先輩の1発をそうやって凌ぎつつ、連発で同じ位置から当真先輩を狙ったんですね』 『そういうこと』 『くぐいの脳内はすごいな』 『どういうことですか、東さん』 『通常バイパーは弾道を計算して引かないといけない。それを、目視ではなく、マップから計算してバイパーを飛ばしているんだろう?』 『え!?』 『空間把握能力がいいんですよ、うちの子』 『普段ももっと頑張ってくれればな』 『能ある鷹は爪を隠すってやつですよ』 『ヒワのチームは隠したがりばかりだな』 『確かに』 『ここからはもう、早いでしょうね』 『ヒワさんにはもう先がよめたんですか!?』 『俺のサイドエフェクトがそう言っている』 『お前のサイドエフェクトはそれじゃないだろう』 『えへへ』 |