A級最終戦7











移動して直ぐにつぐみさんがピンチなのが目に入った。
くぐいの視覚支援のおかげで状況がよく分かる。
歌川と風間がカメレオンでつぐみさんを相手にしており、少し離れた場所で気をうかがう出水がいた。
見えないカメレオンを相手にしたところで、俺にはつぐみさんみたいには動けない。

『ヒワちゃん、風間隊はいいから出水くんとって』
「了解」

つぐみさんの指示に従う。
先に1点を取ることに専念しろということだ。
ここで、つぐみさんと俺が例えベイルアウトしても、1点さえ取れれば目的は果たせる。

「出水!1点くれ!」
「直接的表現!?」

出水に向かうと、こちらに気が付いたらしく顔を引きつらせている。
直ぐにアステロイドを出して俺に放ってきた。
俺はそれをハンドガンで撃ち落とす。

「鴇崎討ったんだろー?お前見上げた精神だな」
「傷をえぐるの真面目にやめてください!」

自分でやっておきながらかなり傷ついているようだ。
その様子に俺が笑うと、出水は傷心した顔をする。
まぁ意図せずベイルアウトさせちゃったら泣けるよね。
流石に不憫になったので後で鴇崎にフォローに行くように伝えておこう。
そして、それはそれこれはこれ、ということで俺は出水をとることに専念する。

「流石にうまいな、中々近づけない」

アステロイドとバイパーの嵐に俺は様子をうかがう。
動き回って太刀川との合流を狙っているのだろう。
流石にそうなると困る。
乱戦になればとれる確率もあがるが、とられる確率もあがる。
今ならば確実にとれる自信があるので、みすみす逃がすわけにはいかない。

「とりあず足を止めるか……」

俺は出水に突っ込む。
当然アステロイドが降りかかるが、それはすべてくぐいがノルンで防いでくれる。
ノルンを壊せるギムレットをだすのには少しタイムラグがある。
それだけの時間があれば十分で、俺は近距離まで近づいてレッドバレットを放った。






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