実況席











『なんと今回、鴇崎さんがシューターとして隊服を着ています!』
『女性陣の反応がすごいな』
『相変わらず人気だな、鴇崎』
『いやーだってカッコいいもんね、俺でもそう思うもん』

『鴇崎さん、早々に仕掛けてきましたね』
『風間隊がカメレオンを使っていましたからね、風間を引っ張り出すために動いたんでしょう』
『なるほど』
『つぐみさん風間さんとサシなんて大丈夫なの?風間さんアタッカー2位だよ?』

『……緑川、つぐみさんの隊には隊章があるだろう?』
『うん』
『隊章を作れる条件はなんだ?』
『そりゃA級になれば………え、まさか』

『結城隊は元A級2位だ』

『ええええええええええ!!!!???』
『こら、マイクつけていること忘れるなよ』
『いや、だって!え!?2位!?』

『俺も実際にその当時を知っていたわけじゃないんだ。ただ、ランク戦の制度ができた直ぐ、東隊が1位だった時に次点の2位にいたのが結城隊』
『嘘でしょ…』
『嘘みたいな本当の話だよ』
『東さん、俺たちも詳しく知らないです。教えていただくことってできますか?』
『…まぁ隠しているわけじゃないと本人も言っていたしな』

『もらっている質問に、確か隊の結成理由というのがあったからついでに答えておこう。元々結城隊は3人だったんだ』
『3人?』
『鴇崎とくぐいは後から入っている。当時はつぐみとヒワがアタッカーの双璧で……もう一人別の男のオペレーターがついていたんだ』
『オペレーター…?』
『俺やつぐみと同い年で……俺には少し怖い奴でした』
『東さんがそんなことを言うなんて意外です。どういった方なんでしょうか?』
『まぁ格好いいやつでしたよ。頭もいいし、男らしくて……つぐみを守ってるような奴でした』
『へぇ……』

『つぐみとヒワは当時のアタッカーの中ではかなり抜きんでていました。つぐみが機動力をそいで、ヒワがとどめをさして…あの二人は戦い方が静と動です。つぐみは静かに戦いますが、ヒワはとにかく派手ですからね』
『全然想像つかない』
『当時はつぐみも10代だったし、ヒワもまだ発病していなかった』

『つぐみは入隊当初からエンジニアでしたが、オペレーターに誘われる形で隊を作りました。そこにヒワが志願して入ったんです』
『え、意外』
『ヒワは昔からつぐみになついていたからな。人柄に憧れるんだそうだ』
『分かる気がします』

『そこからはすごい勢いで駆け上がって…当時は俺の方がランクは上でしたがいつ取られるかとひやひやしました』
『東さん、楽しそう』

『ただ……色々あって、オペレーターが失踪しました』
『っ』
『え…』
『近界民ですか?』
『その場にいたのはつぐみだけ。俺たちが駆けつけた時にはつぐみはかなり気が動転していて…すぐに気絶した。高熱が何日も続いて、そして目が覚めたら、その瞬間のことだけはごっそり記憶が抜けていたんだ』
『そんな…!』
『……』
『だから、真相はいまだにわからない』

『けれど、オペレーターを失ったのは確かだ。ヒワとつぐみだけの隊になり…存続するかどうかもつぐみは悩んでいたが、ヒワが辞めたくないと言ったからつぐみがオペレーターをする形で続けていた。順位は、落ちたよ』
『………』
『その状況が何年も続いた後、ヒワが発病して…隊の存続が本当に厳しくなった。そこに鴇崎とくぐいが入隊してきて』
『はい』
『あの二人となら、続けられる。つぐみはそう言って二人を引き入れていました。くぐいが入ったことでトラッパーも始めましたし』

『そう、だったんですね』
『夜鷹はオペレーターの名前なんですよ』
『そうだったんだ!』
『じゃあずっと、結城隊は5人だったんですね』
『嗚呼…そうだな』

『衝撃の真実を知ってしまいました…』

『そういうわけで、つぐみは元アタッカー、元オペレーター、現トラッパーという道のりなんですよ』
『そうだったんですね…最初からなんでもできたわけじゃなくて、必要に迫られていたんですね』

『というわけで、ポジションについてという質問と、オペレーター変更による隊の動きの質問にも答えられそうですね。まず現在の隊のポディションはつぐみはアタッカー兼トラッパー。そしてヒワはアタッカー。鴇崎はシューター兼オペレーター。そしてくぐいが、スナイパー兼オペレーター&トラッパー』
『くぐいと鴇崎が状況に応じてオペレーターをかけもっていますよね』
『嗚呼。状況により展開が変わるが、鴇崎がオペレーターのときはやや保守的、くぐいがオペレーターの時は攻撃的だ。実際にくぐいがオペレーターで、他三人がそろって攻撃に回る姿を見せるのは初めてだけどな』

『なるほど…結城隊の秘密に迫ることができました』







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