実況席








『おっと…膠着状態が続きます』
『どちらも相手の動きをうかがっているんでしょうね』

『当真隊員がどう動くか、というより結城隊が何を選択するか、が今後の展開を決めそうですね』
『スナイパーだけでは動けません。アタッカーのつぐみさんが、どう判断するのか…』
『つぐみさんなら仕掛けても捕まえられそうだけどな』
『いや…つぐみさんはおそらくそれはしない』
『!へぇ…』
『なんで?』
『つぐみさんの性格上、これだけ庇われておきながらとりに行こうとするなんて考えづらいだろう?』
『む、確かに』

『だが、くぐい先輩は多分とりたがるんじゃないか?』
『え、そうなのか…?いや、まさかそんな不義理みたいなこと…』
『いや、あの子はするよ。他の18歳見てみなよ』

『……するんですね』
『18歳のみなさんが一様に大きく頷いていますが…評判が酷いですねくぐい隊員』
『いやまぁ確かに聞こえは悪いけど、考えとしては間違っていないよ』
『そうでしょうか…?』
『これはランク戦だよ。異例だったのが当真の方だ。普通は、点を取り合うのがルール。だからルールに乗っ取ればくぐいが正しい』
『そうだな、俺も迅さんに賛成。くぐい先輩の考えがあっていると思う』
『だけど…』
『まぁ、感情としては庇われてるから取りづらいですね』

『もし、三雲隊長が攻めるとしたらどうしますか?取りに行きますか?』
『っ…………、僕は…』
『オサムじゃまずトーマさん相手は無理だけどな』
『できるか出来ないのかの話じゃなく、何を選択するか、だな』
『ふむ』

『僕は、取りに行くと思います』

『!』
『ほう…』
『これは意外です。どうしてでしょう?』
『一点でも惜しい。いちはやく上位に行くために、負けられないからです』

『あ、でも後ですごく謝罪はさせていただきます…!』

『…修らしいな』
『本当だね、メガネくんらしいよ』

『三雲隊長の男らしい一面が見れたところで、恒例の質問コーナーにいきましょう!』
『(前座みたいな扱いされた…)』

『まずはじめに、結城隊の血液型は?ということですが、事前調査でお聞きしたところトップシークレットということで、ハイブリット血液型占いという、性格から血液型を調べる方法をご本人たちに行っていただきました』
『トップシークレットとかあるの?』
『みなさんの夢を壊さない優しさです』
『なるほど…?よくわからん』
『実際とあっているかは別として診断結果がこちらです』

『まずつぐみ隊長ですが、典型的A型タイプ。ちょっと長いですが解説です。「あなたは絵に描いたようなA型。真面目で責任感が強く、目標に向かって地道な努力を続けられる人です。几帳面な性格で気配りもでき、とてもマメだと思います。協調性があって、だれとでも衝突せずに付き合えるでしょう。ただ他人の目を必要以上に気にする傾向があり、ちょっとシャイです。大勢から注目されると膝がガクガクしちゃうノミの心臓の持ち主。でも縁の下の力持ちにはとても向いていて、組織の歯車として文句ひとついわず末永く貢献できるタイプでしょう。短所をひとつ挙げるとすれば、ネガティブなところでしょうか。神経が細やかな上に心配性なのでささいなことでストレスがたまりがち。過去の失敗を延々と引きずってしまうような一面もあり、そんな自分自身に嫌気がさしてしまうこともあるでしょう。A型タイプはなぜか自分を過小評価しがちですが、他人を思いやれるあなたの心はだれよりもきれいです。もっと自信を持ってくださいね。」という結果です』
『長い』
『本当に長いですね…』
『地味に当たってる感じだね』
『ご本人も「端々ぐさっとくるね」と言っていました』

『それでは次にヒワ隊員。B型の皮をかぶったA型。「あなたはB型の皮をかぶったA型タイプ。自分の気持ちに素直で、常識にとらわれない言動が持ち味の人です。友だちから「空気を読まない」とか「自己チュー」とか冗談まじりに罵倒されることもあるのでは?能天気で悩みなんてひとつもないように見られやすいタイプともいえるでしょう。でも実は、意外と繊細な神経の持ち主。好き放題やっているように見えても、周囲の目を人一倍意識しています。友達の何気ない一言でものすごく落ち込んでしまう…なんてことも多いはず。このタイプは自分のネガティブな面を他人に見せません。「もうダメだ…」という気分のときも、なんとか明るくふるまおうとします。しかし心が疲れているときにがんばりすぎるのは逆効果。疲れを癒すために必要なのは休息です。疲れたときは思いっきり暗くふさぎこんでしまうのもひとつの手でしょう。無理をして心の傷口を広げてしまわないでくださいね。」』
『前半は当たってそうだけど後半は………。あの人基本的に落ち込まないし』
『本人もそうおっしゃっていました、B型の皮をかぶったA型のあたりはものすごく笑っていました』

『それでは続いて鴇崎隊員。A型のネガティブさを持つAB型』
『え、意外』
『完璧主義者で感性豊かなあなたはA型が混じったAB型タイプです。繊細な神経を持ち、周囲の評価に敏感でちょっと内向的。イメージでいうと鬱モードに入っているときの太宰治でしょうか。天才的といっていいくらい鋭い感性の持ち主ですが、愛想が悪いというか、無意識のうちに気難しそうなオーラを漂わせるところがあります。性格的には、小説家や芸術家のような自分の世界に没頭できる仕事が向いています。そっち系の仕事でちゃんとごはんを食べていける人は一握りですからおすすめはしませんが…。お世辞にもネアカとはいえないこのタイプは、人間関係で悩むことが多そう。人付き合いにおいては、どうしても明るい人がよしとされ、暗い人は敬遠される傾向にあります。でもネクラなのは別に悪いことではありません。自分の暗さを認めて前向きに開き直ることができれば、人間関係の悩みはだいぶ軽くなると思いますよ』
『なんか、やんわりあってるような…?』
『あってないような…?』
『鬱モードの太宰治が謎だね』
『私は「暗く見える?」と逆に聞かれて「まったく見えませんすみませんでした!」と全力で謝りました』

『それでは最後にくぐい隊員。典型的A型ということで…つぐみ隊長と一緒ですね。結果はびっくりするほど当たっていないとのことですが、そんなことより選択肢にスモールライトはあるのにビックライトは何故ないのかとそこに憤慨していらっしゃいました』
『あー……18歳が笑い死にしそうですね』
『ビックライトとは?』
『光を浴びると大きくなるんだよ。だから…多分身長を伸ばそうとしたんじゃないか』
『なるほど』

『真実とあっているかはわかりませんが、診断結果はそういった形でした』

『それでは続いて、結城隊のオリジナルトラップの名前は誰が決めているのか、とのことですが』
『つぐみちゃんか、くぐいかな』
『そうなのか』
『夜鷹はつぐみが決めた名前だよ…これは、理由があるんだけどね』
『由来があるんですか!?ぜひお伺いしたいです!』
『(また武富さんのパッションが…)』

『それは秘密』
『えー!』
『今後、教えてくれるよきっと。それで、夜鷹以外は基本的にくぐいかな』
『そうだったんですね…』

『基本的にトラップ考えてるのあの二人だから』
『そうだったんですね、僕はてっきりつぐみさんが作られているのかと…』
『作ってるのはつぐみちゃんだよ、でも考えているのはくぐいかな』
『俺も見かけたことあるぞ。「たいちょー新しいトラップ作ってー」と言っているところを見たことがある』
『へぇ…』

『それでは今回はこの辺で。大詰めのランク戦、続きをみていきましょう!』






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