実況席











『おおおおおお!!!これは序盤からかなり見ごたえのある展開です!!!!』
『すごい…!』
『ふむ、これはなかなか』

『迅さん、つぐみさんってアタッカーだったんですか?』
『しかも弧月使いだな』
『その質問に答える上でも状況の整理をしようか?』
『桜子、了解です!』

『それではまずステージセレクトから。今回は結城隊セレクトの「工場地帯」です。これにはどういった意図があると推測されますか、三雲隊長』
『それは…、結城隊にはくぐいさんがいます。工場地帯は建物の中に入られると厄介ですが、開けた場所も多い。狙撃に適しているから選んだと思います』
『確かに。くぐい先輩がいなければ更地を選んでトウマさん達を炙り出せる』
『おっと、甘いぞ、遊真。更地を選んだぐらいじゃ当真は崩せない』
『そうなのか?』
『トラッパーとスナイパーしかないないのにA級2位にいるんだ。そんな簡単に崩せるとは僕も思わない』
『じゃあ他に意図があるということでしょうか…?むむ、この先の展開が気になりますね』

『そして、やはり注目すべきはA級2位の冬島隊ですね!』
『あそこは強いですからね、狙撃手でありながら絶対エースの当真がいる』
『ちか…僕の隊にもスナイパーがいるんですが、その子に聞きました。すごい腕前だと…』
『へぇ』

『それにまぁ、つぐみちゃんの元上司ですからね、隊長の冬島さんは』
『え!そうなんですか!?』
『冬島さんは以前技術部に所属していて、その時の直属の部下がつぐみちゃん。今はつぐみちゃんが主任だからつぐみちゃんの方が立場は上だけどね』
『主任?』
『鬼怒田さんが一番上の役職室長で、その下が主任』
『へー…え!?じゃあつぐみさん技術部のナンバー2ってことですか!?』
『そうそう』
『ご本人もそろそろ兼任を辞めないと死ぬかもしれないとよく口にしていますよね』
『でも鬼怒田さんが認めないけどね』
『冬島さんに抜けられて、つぐみ隊長にも抜けられたら技術部大打撃ですもん』
『そうそう。それくらい冬島さんはエンジニアとしても凄いんだよ』
『なるほど…冬島隊は当真さん冬島さん、どちらも強敵ですね』

『それでは話を戻して、序盤ですが、くぐい隊員は隠れる前に影浦隊長に見つかってしまいました!』
『あれは完全に転送位置が悪かったですね』
『オサムなら速攻死んでたな』
『空閑うるさい…!』

『スナイパーとアタッカーの接近戦となれば、スナイパーの圧倒的不利。よもやとられる…と思いきや!そこで現れたつぐみ隊長!最高潮に格好良いですね!テンションあがりました!』
『いやーまさかつぐみさんが弧月使いとは。いやはや、知りませんでしたなぁ』
『意外です』
『わたしも今回事前調査で噂はお聞きしていましたが…まさか本当に弧月使いだったとは!迅さんは当然ご存知でしたよね』

『そうですね、昔からいるメンバーは結構知っていますよ。つぐみちゃんのアタッカーとしての力は付け焼刃じゃないですから』
『それはどういう…?』
『付け焼刃じゃないなら、つぐみさんは昔から戦えたってこと?』

『戦えたというより、もともと剣術が得意なんだ』
『え?』
『えーと?』

『つぐみちゃんあんな見た目だから昔からいろいろあって、ボーダー入る前から護身術習ってたんだよ。だから刀を扱うのがうまいんだってさ』
『おお。なるほど』
『…強いんですか?』
『うーん、強い強くないでは測れないかな』
『と言いますと?』
『つぐみちゃんは傷つけることは嫌がるからね。相手へのとどめは刺さない。足止めしかしないんだ』

『っ……それは…』
『チカに近いな』
『そうかもね。でもつぐみちゃんはとどめを刺さないからってあしらえるほど弱くはないよ。むしろ、軽くいなされるから厄介だ』
『おお!つまり「柔能く剛を制す」ですね!』
『なにそれ?』
『しなやかなものは弱そうに見えても、硬いものの矛先をうまくそらして、最後は勝つ、ですよね?』
『そう!』
『ふむ、なるほど』

『そして影浦隊長の気をそらしたすきにくぐい隊員が隠れようとしましたが、ここで追い打ちの北添隊員のメテオラ!』
『完全に18歳に集中砲火されてますね』
『くぐい先輩大人気だな』
『あの人たちは…なんなんですか…?』
『私は、愛と友情が混ざったくぐい隊員争奪戦だと思ってます』
『大体あってる』

『そしてその北添隊員のメテオラを、まさか当真隊員が防ぐとは…!』
『なんでかばったんだろう?』
『当真は分かっててつぐみちゃんの賭けにのったんだよ』
『賭け?』
『当真なら絶対にくぐいをかばうと思ってるんだよ』
『でました、謎の仲間意識18歳組』
『当真は特にくぐいに甘いですし、そもそもつぐみちゃんにも甘いですからね。鴇崎さんもヒワさんも気に入ってるみたいですし、お気に入りが傷つけられるのはよしとしないでしょう』
『……当真さん、ランク戦だっていう意識はあるんですよね…?』
『あるよ、でも当真にとってはランクも点数もどうでもいいんだよ。自分のしたことをするのが当真だから』
『すごい!格好いいです!!!!!薄い本も熱くなるやつです!!!!!』
『薄い本とは?』
『(武富さん、何を言っているんだろう…)』

『大興奮のランク戦、この後の展開が楽しみですね!!!』
『そうですね…(パッションがすごいな)』

『そして答えられる質問が来ないので今回は質問コーナーはお休みです!』
『む、悲しい』
『俺のサイドエフェクトが誰かお便りをくれると言っている…!』

『そんなことよりはやくランク戦いきましょう…』






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