実況席









 
『さぁさぁやってまいりました、A級ランク戦。実況は私、花の15歳、海老名隊オペレーターの武富桜子が勤めさせていただきます!!』

『そして解説は玉狛支部から迅さん、三雲隊から三雲隊長、空閑隊員にお越しいただいております』
『よろしく』
『よ、よろしくお願いします』
『どうぞよろしく』

『今回注目はやはり、A級への挑戦権を得た、B級1位の結城隊でしょうか。今回も観客席は満席状態です。ちなみにお三方は結城隊のつぐみ隊長と親しくされていますよね』
『そうですね、東さんには負けません』
『迅さん、そんな煽ることは言わなくても…』
『おおっと!これは詳しく掘り下げたいところですが、激しく脱線しそうなのでとても悔やまれますがやめておきましょう。他のメンバーの方とも個別に親しかったりは…?』

『俺はヒワさんだな。 昔から居るし』
『僕は特には…』
『俺は、くぐい先輩とヒワさんはよく話すぞ』
『え!?空閑いつの間に』
『くぐい先輩はむらかみ先輩と一緒にいたときに仲良くなった』
『なるほど〜、スナイパーとアタッカーは中々縁がないと話さないでしょうね』

『遊真、ヒワさんとやったか?』
『うん』
『本当か!?結果は…!』
『五本勝負で、全部とられて完敗しました』
『空閑が完敗…!?』
『銃は抜かせたか?』
『うん、最後だけだけど』
『ならヒワさんも本気だったな』
『どういう意味ですか?』
『そのまんまの意味だよ。ヒワさんは銃を抜いたら本気ってこと』
『へぇ…』

『ヒワさんといえば、弧月+ハンドガンですからね。三輪隊の三輪隊長の師匠でもあり、その腕前はかつては太刀川さんをも凌と言われていました』
『よくそんな事知ってたね、かなり前だよ?』
『今日の解説を楽しみにしすぎて結城隊について聞き込みしまくりました!』
『(鼻息が荒いな…)』
『ふむ、意気込みが凄いですな』

『今はヒワさんと太刀川さんどっちが強いの?』
『私もそれは…迅さん、どうでしょう?』
『うーん、どうだろう?ヒワさんは体調崩すようになってから模擬戦はでなくなったしね』
『そうなんですね…』

『ちなみに迅さんとヒワさんならどっちが強いの?』
『………昔は、ヒワさんの方が強かったよ。今は分からないけど』
『へぇ』
『ヒワさんが本気だすところ久しく見てないなー』

『そんな凄い人達と肩を並べるヒワさん、是非拝見したいところですが………今回実に残念なことに、欠席です』
『え!』
『む』
『つぐみちゃんに聞いたけど、昨日の夜に倒れたんだって』
『大丈夫なんですか?』
『容態は安定してるし、意識もあるけど、ドクターストップ』
『ふむ…ヒワさんの本気が見たかったから、残念ですな』
『本当にね』

『エース不在の結城隊に暗雲が立ち込めます…!』
『チームとしての底力が試されますね』

『迅さん、落ち着いてますけど心配じゃないんですか?』
『ん?まぁあくまで解説は公平公正』
『お!意外ですね。迅さんといえばつぐみ隊長のセコムとも名高いですが……もしかして何か視えてます?』
『さー、どうでしょう』
『怪しいですな……』

『さて、ランク戦に戻りまして。ステージのセレクト権はB級1位の結城隊にあります。どのステージを選ぶでしょう?』
『それはまぁ…今日の編成によると思います』
『何だか全体的に人数が少ないね』
『…確かに』
『結城隊にとっては順位を上げ辛い、エースも不在の、二重苦ですね』

『おっと、そろそろ時間ですね。各隊員、転送が開始されました。今回はつぐみ隊長もばっちり間に合っていますよ!』

『それではA級初戦、影浦隊、冬島隊、結城隊の三つ巴がはじまります!』


『転送完了!映像が入りました!ステージは結城隊セレクトで「工場地区」!!!』





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -