「ナマエ、起きて」


ミカサがナマエの名前を呼ぶが起きない、試しに揺するがそれでも全く起き上がる気配はない。仕方ない、そうどちらともなく呟く。ミカサとエレンは目配せすると素早く配置につき、そして、思いきり布団を剥ぎとった瞬間水を、ナマエに、ぶっかけた。


『?!?!』

「やっと起きた?おはよう」

『お、おは?え、え?』
「ほら、いつまで突っ立ってんだよ風邪引くぞ」


未だ状況を把握できてないナマエをよそにミカサは手際よく片付けていきエレンはがさつにナマエの髪の毛を拭いていく。それをまだぼうっと見ていたナマエはおお、見頃な連携プレー、と感動していたが感動している場合ではないのだ、そう気がついたのは部屋の片付けが終わり髪の毛が乾いたときだったが。

「今日は急遽予定変更したんだ」

「久しぶりにナマエと一緒に居たくて」


そんなことを言われたら二人を怒れるはずもなくしょうがないなあとナマエは笑い二人の手をとる。確かに事実ここ最近三人でいる時間が減ったのだ。それを寂しく思っていたのはナマエだけじゃない、それが嬉しかった。


「なあ、どこ行く?」

「この間の、」


気がつけばナマエはミカサとエレンに引っ張られる形で移動していた。だからだろう、誰かに後ろに引っ張られナマエは咄嗟に二人の手を離し倒れこむ。地面と激突することを考えていたがボスンと人に支えられた。


『、?』

「ごめんっナマエ、大丈夫?」
「ベルトルト…」
「何か用か?」

何故ミカサとエレンが用事を聞くのだろうとナマエは思ったが口を噤んだ。ナマエは自分が何言ったら状況がより悪くなることを前回で学んだからだ。

「ナマエにちょっとね、ナマエ、今いいかな?」
「ナマエは今から俺たちと出掛けるからダメだ」
「ナマエに聞いてるんだけど…、」
「私たち前から約束してたから」
「ナマエの意志はどうなるの?」
「ナマエの意志は私たちと一緒にいることだから大人しく帰って」


埒があかないと気がついたのはいつだったか。日はとっくの昔に傾いていた。


「あの三人いつまで言い争ってるんだろう…」
「さあ?」
「もう、ユミルったら、ナマエ呼ぼうか」
「やめとけやめとけ、そろそろ大人しくなるころだからクリスタは黙って私と一緒に見てればいーの」

そして数分もしないうちにライナーの声が響くのであった。



20130601/空では神様が笑ってる


thanks:たとえば僕が