最近、ナマエの様子がおかしい。ミカサとアルミンとは話してはいるが気がつけばサシャたちのところへ行ってしまうし、何より俺といる時間が減った。気のせいかと思ったが逆に疑問ばかりが浮かんでくるだけだった。問いつめようと思ったがミカサがそれを許さないだろう。ならミカサに聞くしかない、か。



「何か、悩んでるみたい」

「そう、か…」


ミカサにも何も言わないなんて、ほんと、どうしたんだよナマエ…、お前、俺が居ないだけであんなに泣いてたじゃねえか、逃げてきた後だって一緒にって約束しただろ、なのに、なんでアイツらと一緒にいるんだよ、ナマエ



* * *


結局何に悩んでいるかも、何故避けられているのか原因はわからず、ナマエをぼうっと見ていると外に出て行ってしまう、なんだか胸がざわつく、急いでナマエの後を追うとしゃがみこんで肩を震わせているのが見えた。泣くときの癖かわらねえな


「ナマエ」
『?!エレンな、んで…ここ、に…』


「出て行くのが見えたからな、で?」

『…エ、レン?』

「誰かに泣かされたのか?」
『ちが、エレン違う、違うの…』

「じゃあ一体どうしたんだよ…最近お前変だ、ぞ…、ナマエ…?」


ナマエの顔を覗き込むと、今にもどこか消えてしまいそうで不安がこみ上げる。誰にも渡しはしない、ナマエは俺の、俺の…?何だって言うんだ?、あ、あ…ああ、そういうことか、この先ナマエはきっと俺の知らない男と付き合うだろう、手をつないでキスして、その先だって、する、そんなこと、


「、俺は、」

『エ、レン?』
「俺は、ナマエが好きだ」


ぽたり、ナマエの瞳から涙が堕ちた。なんてキレイなんだろうか、劣情に煽られるのも、全部ぜんぶ、
『やめ、て』

蚊の鳴くような声で否定するナマエ、だけど、なあ、俺も知ってるんだ、

「俺は、ナマエが俺以外のヤツと触れあうなんてそんなこと、耐えられない」



『エレン、やめて、』

「なあ、ナマエもそうだろ?」


俺たち、双子だもんな。例え双子じゃなくてもきっとお前のことはわかるよ。

『…エ、レン、だ、め』
「ナマエ、ごめん、」


はじめてナマエとしたキスは涙の味だった。


20130529/でも、もう戻れないよ

thanks:確かに恋だった