コンコンと叩いてドアを開ける。閑散とした部屋には必要最低限の物しかなく、それが妙に悲しく感じられた。


「ナマエか、なんだ?」

『あ、書類をお持ちいたしました。』
「そこに置いとけ」
『はい。』


言われたところに書類を置きさて帰ろうと部屋から出て行こうとするとおい、とリヴァイ兵長に呼び止められる。

『…はい、何でしょうか?』

「お茶入れてこい」

『は、はあ…』


お茶…リヴァイ兵長にお茶、かあ。不味いと言われないようにしなければ、義務感を背負いながら食堂までの道を歩いているとミカサとエレンが前から歩いてくる。ナマエのことに気がついたエレンが手を振ってミカサとこっちへやってきた。


「ナマエ!こんなところで何やってんだ?」

『リヴァイさんにお茶頼まれて…』
「そんなこと自分でやればいいのにあのチビ」
『こらミカサ、そんなこと言わない』


だって、と言うミカサの頭を撫でて宥める。ミカサの髪の毛さらさらだ。よしよし、ついでにエレンの頭を撫でてやろうと背伸びして撫でてあげると喜ばれたよかったよかった


『んー、それじゃあ私はそろそろ』
「ナマエ、」
『リヴァイ兵長、』


ぐいっと引き捕まれ気がつけば兵長の隣に立たされる、ち、力強いです兵長…

「遅え」
『す、すみません…』
「ナマエのせいじゃない、それに遅くなんかない」
「ミ、ミカサ」
『あ、ああああわ、私お茶!お茶淹れてきますね!』

ミカサとリヴァイ兵長の間に堪えきれず提案を出すがリヴァイ兵長にここにいろといわれエレンに腕を掴まれる。それに対抗するよう兵長に逆の腕を掴まれ、あれ、これもしかしなくても、逃げられない、腹を括った瞬間だった。



20130606/板挟み