『ね、ちょーっとだけだからさあ、これ飲んで?』
「い、いや…いくらナマエさんの頼みでもそれは…」

『えー、ちょーっとでいいからさあ、ねえ、お願いっ!』


ハンジに飲むように頼まれたはいいけどこの液体如何にもって色してるし、ハンジが何ならエレンに飲ませてもいいよ!寧ろエレンに!って言ってたし、ごめんね、でも私自分の身が可愛いか、ら


『あ』

「っ、ナマエさん!」


っいっててえー足滑らせるとか、最悪、いた、ん?んん?痛く…ない?そういや、エレン…は、はっと下を見ると可愛い可愛い恋人のエレンくんが下敷きになってくれたようだ、ありが、…これ、チャンスじゃね?


『エレン、ごめんね』

「う、い、いえ、ナマエさんが無事で良かったです。」


はにかむエレンに少しの罪悪感を抱きながらもやはり背に腹はかえられなかった。ごめんエレン、先に謝っといたから許してね!勢いよくハンジから渡された薬を口に含むとえ、とエレンが戸惑う、そのエレンの可愛いさと言ったら、あーあ、何だか申し訳ないなと思いつつも口を押しつけ液体を流し込む。エレンが飲み込んだのを確認してからゆっくりと唇を離すと顔を真っ赤にしてパクパクと魚が餌を求めているように動かす。


『、んむ、んー、ご馳走さま』
「なななな、なに、何して…!」

『あはは、エレンってば顔真っ赤かーわいっ』


さてこの疼きだしてきた悪戯心どうしてくれよう、何をしようかエレンの顔を見ていると顔が青くなっていて、何だか背後に威圧感を感じるなあ、なんて冗談おいしくないんですけど…!


「エレン、お前ハンジが作った薬飲んだな、ならハンジのところに今すぐ行け」
「は、はい!」


ヤッパリー威圧感の正体は人類最強のリヴァイさんじゃないですかあ!なんて言えるわけもなく、かと言って後ろを向けるわけでもなく、ああ、エレン…達者で…!


「さて、とナマエ」

『う…あ、さ、さあてと!私はハンジに呼ばれ』
「覚悟はできてるだろうなあ?」


ヤンキーだ…!ヤンキーがここにいるぞ…っ、さあああっと青ざめていく顔が自分でもわかる、ヤバいリヴァイめっちゃ怒ってる!

『ご、ごめんなさあああい』

「言い残したことはそれだけか」
『いやいや何で死ぬこと前提なの?!おかし、っい…たあああいたいいたいリヴァイ痛いごめんなさいごめんなさい頭踏まないでえええ』

「聞こえねえなあ」

『ドえったああああリヴァイひっどいいいたいいたああああああああああ助けてええええ!』


リヴァイのバカヤローと呟いたの最後に私の意識はブラックアウトしたのだった。もうハンジの頼みなんて一生聞かないと決めたあの春の日


20130605/あの春の日