『やあ、エレンじゃないか』

「ナマエか、今日は何の用だ?」


『エレンに会いに来たのさ』

「なっ、」


耳まで真っ赤になるエレンを見てクスクス笑う。ほんと、素直でかわいいヤツだなあと思って見ているとエレンと目が合った、が、瞬間ばっとそらされ少し意識されてる嬉しさとそらされた悲しさが入り混じる。


『うあーせえっかくエレンと目合ったのに、エレンったら反らしたー私とおっても傷ついたわあ』
「いい加減にしろよナマエッ!」
『きゃっエレンが怒ったー!』


捕まれそうになるのを逆手にとって懐に入り込みエレンに抱きつけば驚いたのかエレンの動きが固まる。その一瞬の隙にエレンの唇に自身の唇を軽くくっつけ、ぱっと離れる。未だに何が起きたのか整理ができていないらしいエレンは目蓋をパチパチさせ所謂放心状態。もう少しエレンを見ていたいけれど見つかったときが面倒くさい。よし、ミカサに見つかる前に逃げよう。そうと決まればナマエの行動は速かった。周囲を確認し人がいない方向へと走り出す、少ししてエレンがやっと何をされたか理解した頃にはもうナマエは随分遠くへと走ってしまっていた。


「ほんと、なんなんだよ…」


エレンの呟きは誰に聞かれるでもなく、宙に消えていった。


20130520/意識しちゃってください

thanks:確かに恋だった