『ジャンのバァカ』
「はあ?お前に言われたくはねえよ」

だいたいなあ、とジャンが口を開く。待ち望んでいたジャンの話が始まろうとしていた、はずだった。一向に話し始める気配がしない、どうしたんだろうと思いジャンを見る、ああ、あーあ、最っ悪、


『サシャ、これあげる』
「えっ、あ、ありがとうございます!」
『ん、こちらこそありがとう』


食べるのに夢中らしく聞こえてなかったらしい、何でもないと首を振ってトレイを片付けさて部屋に帰ろうとしたときにジャンが私を呼んだ、ジャンのばかやろう、


『なあに、』

「ナマエ最近食ってないみたいだけど、」
『大丈夫、なに心配してくれるの?ジャン優しいー』
「お前なあ、人が…」
『あーわかってる、ありがとうジャン、それじゃあね』


遮って食堂から出て部屋へ戻ろうと足を動かそうとすると腕を掴まれる。誰だなんて聞かなくてもわかる。


『エレン、手、離してもらえる?』
「わ、悪ぃ」

『いいよ、別に』


思い切り掴んだと思ったらエレンは慌ただしく離す。少し笑ってからそれで、なにか用事かな?なるべく優しくエレンに問いかけた。

「あの、よ」

『うん、』
「ナマエ、大丈夫か?」

『なにが?』

視界が真っ暗になる、エレンに抱きしめられてるんだと気づくには時間はかからなかった。あーあ、あーあ、


『わたしって、さいていだね』

「そんなこと、」


『いいの、ごめん、ごめんね、エレン、ありがとう』

「、ああ、」


この温もりがジャンだったら、なんて思いながらエレンを気持ちを利用してこんなことして、もういつか消えてしまいたい、なんて思う私は、



20130515/一途さは罪


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