会って欲しい子がいる、と言われ部屋で待ち続けはや二十分弱たった頃、その子は頬を腫らしながらやってきた。


『あのさ、私の所連れてくる前に医務室連れて行こうよ…』


こんなに頬が腫れて…聞けば来る前にリヴァイに蹴られたらしい、よく生きてたな…私だったら確実に死んでただろうな


「いえ、大丈夫ですから」
『いや、見てる私が大丈夫じゃないしどっからどう見たって痛いでしょ、ああもう…』


席からたつとびくりと震えられる、どんだけやらかしたのリヴァイ…

『ちょっと、ごめんよ』
「っえ、あ、」

『こんなもので悪いね、ちゃんと後で貼ってもらうといい』


困惑している彼の手にハンカチを握らせ頬にあてる。消毒液持っていてよかったよ。

『ああ、私は一応分隊長をやらせてもらっているナマエ、ナマエ・ミョウジだ。よろしく、ええと、』

「エレンですエレン・イェーガー、あの、ありがとうございます。」


寂しそうに笑うのを見て、私がエルヴィンに呼ばれた理由がわかった気がした。誰かが言っていた大人は狡い、と。

『エレン、これからよろしくね』

その通りだと、私も思うよ。



「っはい、よろしくお願いします、ナマエ分隊長」



20130525/大人とはえてして狡賢い生き物である