しくじった、助けるために巨人を全部倒すつもりだったがいかせん数が多すぎる。死ぬのか、いや、去ぬわけにはいかねえ、一端距離を離そうと残りのガスを使って巨人がいないであろう方向へと移動する。
「ナマエ!」
『ッリヴァイ逃げろ!』
珍しく焦った様子でナマエが叫ぶ、ぐるり、斜め右後ろに人確認、ああそういうことか、巨人の手が伸びてくる瞬間スローモーションに見える。
『、っが、』
「は、」
目の前に巨人の腕が蒸気を発して落ち、巨人が怯む間に高く舞い上がり刃がうなじにあてがわれ一瞬で巨人が倒れこむ。
「ナマエ、助か、った」
『いい、それよりリヴァイお前ガスは?』
「もうねえ、ナマエは?」
『まだある、だからこれもってお前は合流しろ』
「は」
『いいか、エルヴィンの言うことちゃんと聞けよ』
「なに、言って」
『ごめんな、だけど、さよならだリヴァイ』
息を飲んだ。あいつはいつもヘラヘラして、腹が立つヤツで、凶暴で、人類の希望で、俺の、っ、
『――…ありがとな、リヴァイ』
最後に見えたのはアイツの笑顔だった。
20130520/ごめんね、だけど、さよならだ