戻れない道へと
結果は影山サンの予想通り負け。ヒロトはこの結果に満足したのか不動を一瞥し、あの力を使ってあの研究所に帰っていった、と思う。もう時期、あと数分もすればこの艦隊は沈むだろう、皆を非難させてから影山サンに指示された場所へと向かった。


***


『不動との会話は終わったんですか、影山サン』

「基山か、丁度いい。ついて来い」
『はあ?え、ちょ意味ワカラナインデスケド』
「ガルシルド様を待たせるわけにはいかない。次の作戦ではマネージャーもやってもらう」

『…はっ』



そーいうこと、一瞬だけ見てくれた、と思ってたけど今も影山サンは私を必要としてくれている。それがあの鬼道とかいうやつの代わりなのか、わかんないけれど影山サンに今確かにこの瞬間必要とされている、それが純粋にただ嬉しかった。誰からか必要とされることがこんなに嬉しいことなのか、恩返しは終わったけど、ああこれじゃあある意味ヒロトとやってることは一緒、なのかもしれない。そんな自分を嘲笑いつつも着実に足は影山サンのもとへ動いている。私が動いたところから床、壁、物が全て壊れていく。まるで私とヒロトの姉弟の絆を物語っているようで嫌で、いやで。足元から目を逸らす、


「行くぞ」

『はいはい』


影山サンについていくこと、それはきっとヒロトと、お日様園の皆の元に戻れないことなんだろうと心のどこかで警報がなり響く。悲しいのか、わからない心のどこかにぽっかりと穴があいたようなだけど私は目の前で"私"を必要としてくれている影山サンのもとへ、なんて現金なんだろう、だけどね、きっと多分もう疲れたんだと思う。誰にも愛されないことに、利用でも、何でも、私を必要としてくれる人のもとへ。


『次はどちらへ?』
「ガルシルド様のもとで研究だ、詳しくはあっちへ行ってからだがお前はその間ブラジル代表選手のマネージャーをしてろ、決して手先だとバレルな」
『ブラジル…、了解』




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