恩返ししてあげる
『つああああ!!まだ来ねぇのかよ!!』
「うるせーな、ほらもうすぐくるっての、ほら」

不動が指した方向にイナズマキャラバンがとまる、相変わらずタイミングがいいことで、



『あ、あれが円堂守?』
「そーだ、おいボール」

『あいよ、』


私ここにいるから、と告げると不動はボールを持って円堂守のところへと歩いて行った。私はというとその二人から離れた場所でやりとりを見る、というか観察。ああいうのは不動に任せておけばいいんだ。あ、円堂守挑発した、がボールとめられてやんの、ざまあ。ふああ、早く終わんないかな、私はやくスカートからズボンにかえたいんだけど、



「おい、行くぞ」
『おー、』

不動に呼ばれて行けばもう何もかも終わらしていたらしい、あとはキャラバンに乗るだ、


「ヒロト…?」

『、』

「なあお前ヒロトじゃ…!」

『残念、私は君の言っているヒロトとは別人だよ。』
「で、でも」
『私女だし、もしかしてそのヒロトって人と顔似てる?だとしたら他人のそら似。話それだけ?手、離してくれない?』
「あ…ごめん」


ぱっと腕が離される、今のうちに不動が座っている席へ移動するとニヤニヤ笑っている。あー、ムカつく、ムカつくムカつく



『んだよ、』

「いーや、相変わらず女優やってんなと思ってよ、名前チャン」
『うっせーお前みたいな悪魔に言われたくないっての』



っと、こんなことやってる暇は無い。小鳥遊ちゃんに連絡を入れなければ…


「名前、お前準備できてんだろーな」

『今連絡してる、そろそろつくころだろ?』
「あァ、そろそろだ」


不動の目的はヒロトたちを見返すこと、私の目的は恩を返すこと。目的は違えどやることはただ一つ。なんて皮肉なことなんだろうか、不動は知らない。利用していると思っているけど逆、いやそれ以下だ、捨て駒くらいにしか思っていないだろう。勿論、私のことも。だけどあの人は与えてくれた、一瞬私を見てくれた。それだけで、十分。



「ついたぞ、」









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