雨って、こんなにもぬるいものだったっけ、いやそうじゃない、私が随分濡れていたから生温く感じているだけなのかもしれない。体も、服も、一番重いのは私の心かもしれない。髪の毛もびしゃびしゃだなーああ、そういや今日は帰ったら夕飯の支度しなきゃいけない日だったっけ、チームのみんな、お腹、空かせてるよなー…。さてと、そろそろ帰ろう。重い体を動かす、目の前が霞んで、というか私どこにいるんだろう、合宿所から遠いところまで走ってきたような気がする、唐突な行動はこれから止めなければいけないな、…あ
「ナマエ!」
『マー…ク、?』
「傘も差さないで何やってるんだ…っ!!皆お前のこと心配して…っ、ナマエ…?」
『うん、…ごめん。』
「…泣いてるのか、?」
『…、いや、泣いてはない…よ』
近づけない、彼が傍にいてほしい人はあの人、私は違う。突きつけられたものはあまりにも大きくて、受け入れる覚悟はしていたはずなのに。悲しくはない、近くにはいるはずだから。だけどどうしてだろう、さっきっから泣きそうになってしまうんだ。
「、そうか」
歩けるか?うん、そう答えると傘を私の方に差してくれた。マークはキャプテンなんだから濡れちゃダメだよ、どうせ私濡れてるからもうかわらないからさ、そういって無理やりマークに傘を押し付けてから気が付く、これじゃあただの八つ当たりじゃない、か。何をしてるんだ、私は。
『ごめん、ね…』
「ナマエ…、俺は、」
お前には、何もしてやれない…のか?小さく呟かれた、その言葉を私は聞き取ってしまった。私は、なんてことをマークに言わせてしまったんだろう、そんなにも酷いのか、自嘲してからマークの手を取る、私とは違って、あったかい。
『いるだけで、十分だよ。キャプテンさん』
報われない彼と私と、彼