『お兄さん!』

「やあ、今日はどうしたの?」

『ふふふ、じゃーん!お菓子もってきちゃいました!』


あ、これ婦長さんとかには内緒だよ?と言ってお菓子を差し出せばクスクスと笑って俺も共犯者だね、と言って受け取ってくれた。お兄さんとは病室が近くて年齢も比較的近い為すぐに仲良くなった。弟くんもいるんだがこれが中々お兄さん以外にはツンツンでお兄さんがいればね、比較的デレるんだがねえ、


「ナマエ、口ついてる」
『ん、ありがとうお兄さん』


こうやってると方に兄妹になったように感じる。一人っ子の私には兄妹というものが羨ましく感じる。だから京介くんが正直羨ましい、いや剣城兄弟が羨ましい。


『あ、そうだ忘れるところだった!今日は天気がいいから一緒に散歩行かない?』
「ああ、勿論!」


お兄さんが了承してくれたからとりあえず車椅子の用意をと思い立ち上がる。ゴキッと嫌な音がしたが気にしない、いや気のせいだよ気のせいだからそんなお兄さんガン見しないでそんなイケメンに見つめられるとキャッナマエ恥ずかしい!


「何やってんだ…」

『あ、京介くんじゃん!』
「京介…」


苦笑いしながらお兄さんがこの状況を説明してくれた。ぎっくり腰だなんてそんな私信じない!



「信じないとか、はあ…ほらよ」
『う、ありがと…』


これじゃお兄さんと散歩いけないじゃない!うわーん腰痛いよお兄さんと散歩いけないよ!うえっ



「今度、一緒に行こう?」
『う、お、お兄さぁあああん!ぐあ痛い腰痛い痛い痛い痛い』
「お前バカか大人しくしてろ!」
『ひっ京介くん怖いよお兄さーん!』
「っ兄さんにくっつくな!」
「あ京介お菓子食べるかい?」
「いらない!」
『なっこいつお兄さんの断りやがった私が食べるよ兄さぐえっ』
「もうお前うるせええええ」



20110830/315病室にて