『ほら笑ってー!』
「…なぜ私がこんなことしなければならないのだ」
『そりゃ言わずともがな愛おしのルシェたんと私のためですよー』
スペシャル笑顔ニコニコという効果音つきで笑ってあげたのに影山さんは無反応、おいおい照れんなってと言ったらサングラスの下からでもわかるような絶対零度の睨みをいただいたがそんなの慣れっこなので残念ながらこれっぽっちも私はひるみません。はっはっは、残念だったな!
『ということで笑ってくださいまし!』
「無理だ」
『イケずー』
「なんとでもいえ、私はこれから監督としての試合があるのだ」
『知ってますともーだから早く笑えって言ってるんでしょうに』
「何回も言わすな、無理だ。」
『影山さんはやればできる子じゃないですか、こうほら!いっつもの悪人的な笑みを善人的にかえればいいだけじゃないですか』
「ほお、じゃあやってみろ」
『…はいじゃあ撮影いきまーす!』
逃げたなとか聞こえなーい!ほら影山さん笑って笑ってーと言うが何度ためしても無理、こうなったら合成しかないんじゃないか、なんて考え始めつつあったとき、奇跡は起きた。なんと私がトイレに行っている間何があったのか影山さんの笑顔写真が出来上がっていたのだ!え、これ何事…?!
『どどどどどどどおおしちゃったんですか影山さん!』
「私はやればできる子なんだ」
『…』
「…ごっほん、」
『ま、これでルシェたん喜んでくれますよー!よかったですね、影山さん!』
「ふん、行くぞ」
『あいあいさー』
20110720/やればできる子影山さん