ちっぽけで醜い僕が大嫌い。歩けばくすくす僕を笑う声、後ろを指されいつ何をされるかわからない毎日におびえて、びくびく端を歩いて、目立たないように、何もされないように。なんともないようにしていればいつか終わる、そう思って日々痛いと訴える声をシカトして。


そんなある日、女子のグループの中で談笑している一人の女の子。笑っているその笑顔はすごくきれいで、目を奪われた。同時にきゅーと胸がしめつけられて、ああこれって好きっていうやつなのかな、と。喋る勇気もないしイケメンでもない僕は机の上に置いてあるシャーペンを手に取ってせわしなく動かした。今日は生憎紙を持ってき忘れてしまったから机の上に笑っている彼女たちと、他の人を描いた。そうしたら少しだけ心があったかくなって、少し学校に来るのも億劫じゃなくなるかな、なんて。まだわからないけれど、そうだといいななんて期待を込めて僕はもう一度机の上に描いた彼女の絵を見た。


20110713/ヒロイズムに焦がれる少年