『南沢さーん、暇』

「生憎俺もお前の世話する暇なんてないんだけど?」
『ワォ、南沢さんってば鬼畜うー』


せっかく可愛い彼女が可愛くおねだりしたのに、口を尖らせてみるが反応なし、ちぇっ、今年南沢さんが受験なのは知ってるけどさー…ちょっとくらい相手してくれたっていいじゃん、南沢さんのバーカ!



「…」

『…、』


それにしても、髪キレイだなあ、つやつやだし、まつ毛長いし、すっとした鼻、目も大きいしふっくらした唇に、細長い指、こんな人が私の彼氏さんなんだなあ、嬉しいような、寂しいような、



「なあ、」

『んー、?』

「そんな熱っぽい視線で他の男見るなよ、」
『、え…?』


あれ、勉強は?と聞いたらそんな見られてたら集中できるわけないだろ、ちゃんと責任とってもらうから、ななんてニヤニヤしてよってくる南沢さんに嫌な予感を覚えたある日の温かい午後のことでした。



20110701/ある日の午後