『綱海せーんぱい!』

「おっ、珍しいなお前が来るなんて、どーした?」


『んー、久々に先輩が波にのってる姿見たくなりまして!』
「嬉しいこと言ってくれるじゃねーか!」


わしゃわしゃとセットした髪が綱海先輩によって崩される。やめてくださいよお!と本心からではないが綱海先輩に言えばもっとぐしゃぐしゃにされた。えー


『もー、綱海先輩!髪ぐしゃぐしゃになっちゃったじゃないですかー!』

「あー?もともとだろもーとーもーと!」
『ひっどーい!』



なんて他愛もないことを綱海先輩と二人で座って話す。ふと視線を海にやるとキラキラ反射して光って眩しい。そういえば、


『先輩も、波にのってるときキラキラ輝いて見えるんですよー』
「そりゃ、好きなことやってるからじゃねーの?」
『そんなもんですかね?』
「そんなもんだろ、お前だって写真撮ってるとき一番輝いて見えるぜ」

『…よくそんな台詞真顔で言えますね、先輩』
「まあな!」
『誉めてねえよ』


まあ素直なところはいいと思うけど心配だ、先輩騙されやすそうだもん。


『気をつけてくださいよ、すぐ先輩騙されそうになるんだから』
「んあー、大丈夫だろ
だって俺にはお前がいるからな!」


あー、そうだこの人そうだった。天然というか、まあそんなところひっくるめてすき、なんですけどね。でもなんか悔しいから言ってらやないけど。あ綱海先輩立った、



「んじゃそろそろご期待に答えるとするかー」
『かっこいいところ見せてくださいよね、先輩!』
「おう、そこでよく見てろよ!」


どんな瞬間であっても綱海先輩なら、見逃すはずなんてあるはずないんだけどな、なんて聞こえてるはずないだろうけどぼそっと呟いた。


20110507/どんなあなたも見逃さない