「これこっちでいいの?」
『んー、それはそっち、かなあ』
「わかった」

『ありがとう士郎くん』


家具はもう一式揃ったから後は、後は…?あ、

『ご飯の準備しなきゃ!』
「僕が買い物行こうか?」
『んー、いいや士郎くんに頼りっぱなしじゃダメだもの、少しは自分で覚えなきゃ、』


じゃあ行ってきますと言って財布とバックを片手に部屋から出た。今日は空が一段と青色なあなんて、空を見上げつつ歩いていたらドンッと人にぶつかる。ああなにしてるんだろう自分なんて呆れつつぶつかった人に頭を下げて歩きだそうとするが腕を掴まれ動けない。だ、だれ?



『え、あ…』

「久しぶり!」


『えんど、くん?』

「やっぱり、」


久々にその声で名前を呼ばれる。ドクンと大きく体がはねる、私は、まだ彼を欲しているの、そう、なの?


「元気にしてたか?」

『う、ん…』

「そっかー、そういや吹雪と結婚するんだって?」


『、…うん、士郎くんと、結婚…するんだあ。』


へらり、幸せそうに上手く笑えていただろうか。士郎くんは私に優しい、とっても好きでいてくれる、だから幸せ、だけどなんでだろう。円堂くんを前にしたらダメ。なんだよなあ。あ、がらにもなく泣きそう、どうしよう、今泣くわけにはいかないのに。


「俺、ときどき思うんだけどさ」

『…?』


「スッゲー寂しい。隣にお前がいて、豪炎寺と鬼道がいて、みんなでサッカーやってたときが恋しくなるんだ」
『円堂くん…』

「だけどさ、それじゃダメなんだ。豪炎寺だって、鬼道だって、お前だって頑張ってる、だから俺も頑張らなきゃな!って思うんだ。だから、ありがとうな」


『…っ』

なんで、なんで、ああ泣かないって決めたのに。ほら円堂くんがあわててる、私のせいで。ごめんねごめんね、円堂くん、どうしても涙はとまりそうにありません。あなたが好きだという気持ちもまだ、消えません。でもね、今士郎くんのことが大切なの。これは紛れもない事実なの。だから、今私のありのままの気持ちあなたへとを伝えたいと、思います。




ずっとずっと本当はあなたのことが好きでした/20110504




「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -