お日様園にいたとき、ナマエと言う女の子と仲がよかった。彼女は一目俺を見て王子さま、と言った。誰にも言われたことがなく、王子という言葉を理解できてなかったであろう俺はそのあとどう対応したかは覚えていない、だけどそれから俺とナマエはずっと、あの日までずっと一緒だった。そう、ナマエが引き取られるまでは。泣きながらお別れをした、引き裂かれる辛さを知った。それからあまりの辛さからナマエのことは忘れ、そして幾年と月日は流れ、エイリア計画が発令され、阻止されてしまった、そう、忘却したはずの彼女に、よって。






『ヒロ、ト…』


「ねえ、ナマエ…これでも君は、僕のことを王子さまだと言うのかい?」

『ヒロトは、私にとって永遠に王子さまだよ、それはずっと、未来永劫かわらない。』



だからヒロト、一緒に帰ろう。差しのばされた手を躊躇せず握る。

「話の辻褄あってないよ。」
『ううん、王子さまは生きてお姫さまを幸せにしなきゃいけないっていう義務があるんだよ。だから、あってるよ』
「あ、」


『?』


思い出した、そうだ俺は、


「そっか、そうだったね。帰ろう、お姫さま」
『、うん』




王子




ある場所で女の子と男の子が出合いました。女の子は男の子を一目みて王子様みたいだ、と思いました。女の子は男の子のことを王子様、と呼びました、すると男の子はどうでしょう、笑って

「じゃあ、君が僕のお姫さまだね」と、女の子に言ったのです。






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