2.ずぶ濡れの恋心

雨が俺を遮っていた
何でこんな日に限って傘を持っていかなかったんだろうか

しかも優等生の俺がこの雨の中走って帰らなければならないのか

「姉さんのことだから絶対に怒るだろうな」

このまま走ってお日さま園に着いたところで姉さんの鉄拳をくらわなければならない

「晴矢がいたらな」

こんな日に限って晴矢はいない
なぜなら俺が先に帰らせたからだ

「こんなことなら晴矢を居残りさせればよかった」

まぁ、グダグダ言っても仕方ないからこのまま俺は雨の中、学校の校門を抜けるように走り出した














「た、ただいま............」

俺は恐る恐る扉を開けるが玄関の前には誰もいなかった
あれ?誰もいないのかな

すると階段からすごい音が聞こえた。階段に目をやると晴矢がいたのだ

「あ、晴矢ただいま...............うわぁ」




がしがし



俺の髪についた水滴をタオルで拭き取ってくれる晴矢に俺はまた好きになってしまった

付き合ってるのにね
また、晴矢のことが好きになっちゃったよ

「よし、これでいいな」
「ありがと、晴矢」
「おう。あと、おかえり」
「うん、ただいま」
「にしてもアンタが傘を忘れてるなんてな」
「笑いながら言うのやめてくれないか?俺だって忘れることぐらいあるんだよ」

俺は頬をぷくっと膨らませながら晴矢に言うと晴矢はまた笑い出した

「俺、お風呂入るから着替えよろしく」
「仕方ねぇな。なんなら一緒に入ってやろうか」
「(かぁぁぁぁ//////)」

俺は顔を真っ赤にしたまま晴矢を殴った

「寝言なら寝ていいなよ!」
「ってぇ!いいじゃねぇか。ほら、行こうぜ」
「ちょっ!晴矢ぁぁぁ!」

こうして俺は晴矢と一緒にお風呂に入ることになった

ずぶ濡れになって帰ってくるのもいいかもなどと考えていたのは晴矢には秘密にしておこう

まぁ、悪い気はしなかったかな
次はいつ雨が降るんだろうな











(で?なんで傘忘れたんだよ)
(だからど忘れだよ)
(アンタ、意外と可愛いとこあんじゃん)
(か、可愛いって................ん!////)


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