No.31 ついに来た!エイリア学園の拠点(プロミネンス編)




1点を取った私達だったがプロミネンスも負けじと私達に向かってきてついにバーンのシュートが炸裂し同点の形で後半戦を向かえた

「後半戦だけど祐奈に代わりアフロディ君に入ってもらうわ」
「.........ぎぐっ」
「貴方はさっきの試合で怪我をしたわね」
「か、かすり傷なのにですか?」
「かすり傷を侮ってはいけないわ」
「うっ.............はい」
「後半戦も頑張りましょう」
『はい!!』

私はベンチに座り秋ちゃんに手当てを受けていた
その横には吹雪君が心配そうに私を見ていた

「大丈夫だよ。吹雪君」
「でも、心配だから」
「ありがと」

私は吹雪君にお礼を言ってからフィールドにいる皆の方を見る

後半戦の笛がスタジアムに響き渡った



No.31 ついに来た!エイリア学園の拠点(プロミネンス編)

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【SAID バーン】

「バーン様、この試合勝ちましょう」
「あぁ。わかってるよヒート」

俺たちは負けない。何があろうとな。

「行くぜ、お前ら」
『はい!!』

俺たちは雷門陣に走りこむ
この試合に勝つために

「晴矢!!」
「風介......」

俺の前に風介が現れボールの取り合いを始めた
まるでそれは昔のような感覚に襲われた

「晴矢、君にもわかる筈だ。こんなことをしたって意味がないことぐらい」
「んなのわかってる!けどなそれでもやらなきゃいけないんだよ」
「晴矢!」
「はぁぁ!!フレイムベール」
「くっ!」

俺は風介の攻防を退け円堂がいるゴールに向かう

「バーン様!」
「ヒート........いけっ!ヒート」

俺はヒートにボールを渡しヒートのシュートが雷門ゴールに突き刺さった

「風介。これが俺たちのやり方だ。俺だけじゃないヒロトもだけどな」
「晴矢......」
「もし、それが晴矢やヒロトの..........父さんやり方なら俺たちはそれを止めるだけだ」
「!」
「緑川......」

今までベンチにいた緑川が俺たちの間に割って入ってきた

しかもその目はまるで本気で俺たちを止める目だった

「そうだね。緑川の言うとおりだね」
「だろ、風介」
「あぁ。あと晴矢」
「んだよ」
「私達の『本気』を今、ここで見せてあげるよ。緑川、出番だよ」
「無茶苦茶だね、風介はさ」

緑川がフィールドに立ち俺を見て宣戦布告のような形で指を差した

「晴矢、これだけは言っておくよ」
「あぁ?」
「俺はこの試合に全てをかけて戦う。試合だけじゃない。『好きな子』にもだ」
「!!」
「リュウジ.......くん」
「はっ、面白い。やってみろよ、緑川!俺だって負けねぇ」

この試合は絶対に負けない
ましてや祐奈のこともだ

「行くぜ!雷門」

俺たちは雷門陣に全てをかけて後半戦残りを戦う決心をつけた

______________

後半戦残り僅かな時にリュウジ君が加わり最後の攻防が始まった

私は雷門とプロミネンスを応援していた

「頑張れ、晴矢に皆.........」

私は目を閉じて手を握り応援の言葉を投げかけた

そして、審判の笛がスタジアム全体に鳴り響いた

「ぁ.......」

私は閉じていた目をそっと開けたのと同時に誰かに抱きつかれていた

「や、やりましたよ祐奈さん!!」
「祐奈ちゃん。私達の勝ちだよ」
「ぇ.......うそ.......」
「こんな時に嘘をついてどうするの」
「祐奈さん、あの得点板をみても嘘だと言うんですか?」

春奈ちゃんは指を得点板の方へさす。私は得点板をみるとそこに映っていた得点は『3-2』で雷門の勝ちを表していた

「嘘じゃ........ないんだ」
「嘘なわけないよ。あれは僕たちの勝利だよ」
「吹雪君.........」

プロミネンスとの戦いは私達の勝ちで終わった

「皆、お疲れ様」
「やったぜ、祐奈」
「俺たち、プロミネンスに勝てたんだな」
「次はジェネシスとの試合だね」
「ついにヒロト達となんだな」

そうだ。この試合に勝った私達は最後の敵となるジェネシスと戦わなければならない

ジェネシスにはヒロト君に玲名ちゃんがいる

「おい、雷門中」
「晴矢......」
「俺たちに勝てたからっていい気になるなよ。上には上がいるんだ」
「それを言いにきたのかい?晴矢」
「ち、ちげーよ!!まぁ、なんだ................頑張れよ」
「晴矢。声、小さいよ」
「う、うるせぇ!緑川」
「ちょっ........やめっ........うわぁぁ!!」

リュウジ君と晴矢が取っ組み合いをしていて私は何故か嬉しくて笑ってしまった

「わ、笑うな!」
「ごめんね、晴矢」
「ったく................祐奈」
「ん?なぁに」
「..........この戦いが終わったデートするぞ」
「え.......」
「返事は!」
「あ、はい。えっとよろしくね//」
「おう///」
「「「「ちょっと待ってよ!!」」」

私達の会話に怒ったリュウジ君と風介と吹雪君が割り込んできた

しかし、なぜ怒っているんだ?

「ちょっと、晴矢。なーにデートお誘いしてんだよ!」
「祐奈ちゃんは僕とデートするんだよ」
「いいや。この私が祐奈とデートするんだよ」
「意味わかんねぇよ!!先に言ったモン勝ちだろ」
「だとしたら僕の方が先だよ。僕が最初にデートお誘いをしたんだから」
「吹雪!!お前、いつ誘ったんだよ」
「え?えーと沖縄でだったかな」

『ねっ』と吹雪君はえがで私の方を振り向く

「えっ........あ........うん///」
「ほら、祐奈ちゃんだって言ってるでしょ」
「吹雪。君は祐奈に言わせただけだろ」
「そうかもしれないけど.......祐奈ちゃんは僕とデートするんだから、ね」

こ、怖いよ吹雪君.......
まぁ、嬉しいからいいけどね

「こほん。話し合いは終わったかい」
「あ.......」
「なんだ、アンタ居たのか」
「居たよ。当たり前だろ」
「もう試合をしなくても目に見えているがね」
「よほど俺に勝てる自信がありそうだね」
「当たり前だろ!絶対にヒロトを止めるんだからな」
「そう。なら、今から試合を始めようか」

グランは指を鳴らす
すると今まで居なかったメンバーが現れた

「さぁ。俺たちが最後の砦だよ。最強ジェネシスが相手になるよ」

ついに私達はグランと戦う
さっきまでのじゃれ合いが一気に冷めた感じがした





(今度は負けない。あの時のようなやられ方はしない)
(僕はこの試合に全てをかける)





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