No.29 凍てつく闇ダイヤモンドダスト




イプシロンはエイリア学園から追放され次の敵であるダイヤモンドダストの試合が刻一刻と迫っていた





ダイヤモンドダストはフロンティアスタジアムを破壊していると聞いて私達は沖縄から東京へと戻った


「フロンティアスタジアムを破壊するなんて酷い奴らだな」
「ガゼル達ダイヤモンドダストはマスターランクだからかなり手強いだろうな」
「そんなに強いんっすか?」
「強いも何もあいつらは恐ろしく怖い存在だ。特にガゼルはね」

リュウジ君の言うとおりかもしれない。ダイヤモンドダストにいるガゼルは怖い。特に目がね
でも私は怖いとは思わなかった。まぁ、好きだから仕方ないのかもしれない。リュウジ君なんかお日さま園出身だから仕方ないのかもしれないね





それから東京に着いた私達は真っ先にフロンティアスタジアムへ向かった




No.29 凍てつく闇ダイヤモンドダスト


___________


「どうやら来たみたいだね」
「ガゼル!フロンティアスタジアムを破壊して面白いか」
「緑川。君が言うセリフかい?あぁ、君には教えていなかったね。ジェミニストームのメンバーは我々、マスターランクの『練習相手』になっているよ」
「!!」
「ガゼル!リュウジ君にそれを言うためにここに来たの?」
「祐奈..........そうだったね。私達は君たちを待っていた」
「待っていた?どういうことだ」
「決まっている。我々と試合をすることだよ」
「いいぜ。絶対に勝ってやる」
「ふふ。私達を倒せるかな」

ガゼルが不敵な笑みを浮かべながら試合が始まった

「行くぞ!豪炎寺、祐奈」
「あぁ」
「うん!」

雷門の攻撃で試合が動いた
ボールは豪炎寺君が持ち私と鬼道君、リュウジ君 が前線へと走る

「やはり祐奈達は私達の『練習相手』になるね」
「練習相手だと..........本気で言ってるのか?ガゼル」
「もちろんだよ、緑川。君も本来なら我々マスターランクの練習相手になるんだけどね」
「くっ!」
「まぁ、祐奈に助けれたのだから仕方のないことだろうね」
「確かにそうかもしれない。でも.........」
「緑川!」

豪炎寺君はリュウジ君にロングパスをするとそのボールを貰い

「俺は祐奈と出会ったおかげで『サッカーは楽しい』と思えるようになったんだ」
「っ!!」

リュウジ君はガゼルを抜きゴール正面に走りそして

「これが俺のサッカーだ!!アストロブレイク」
「アイスブロック!!」

リュウジ君のシュートは見事にGKのベルガに止められてしまった

「くっ!!」
「ドンマイだ。緑川」
「豪炎寺」
「次はシュート決めようリュウジ君」
「祐奈...............あぁ」

私達はガゼルの横を通り過ぎるように雷門陣地へ戻る

「祐奈。君は緑川に沢山のことを教えたんだね」


「私も楽しいサッカーがしたいけど無理なんだよ。だから..........君たちに『凍てつく闇の恐ろしさ』を教えてあげる」


____________


前半戦の残り僅かの時だった

「これが私の力だ!!」

ダイヤモンドダストの攻撃に私達は追いつけず円堂君とガゼルの一騎打ちになった

「絶対に止める」
「はたして君に私のシュートを止めることができるかい」
「まずい!!ガゼルはあの技をするつもりなのか」
「どういうことだよ、緑川」
「行くよ、円堂守..............『ノーザンインパクト』」

一瞬の出来事だった
ガゼルのシュートは見事に円堂君の技を破り決めてしまった

「嘘........だろ」
「ノーザンインパクトの威力が上がってる」
「ふふ..........凍てつくがいい」
「あれがガゼルの本気なんだ......」

ガゼルのシュートで1点を取られた私達
前半戦が終わりベンチで休憩していた時だった

「円堂君」
「ん?この声何処かで」
「円堂、あそこだ」
「あ........ああぁぁぁぁぁ!!!!」

私達の前に現れたのはFF大会の決勝で戦った世宇子中のアフロディだった

「皆、元気そうだね」
「てるみんこそ何しに来たわけ?まさか私達の試合を観戦しに来たの?」
「祐奈は冷たくなったね。確かに観戦しに来たけど僕は君たちの力になろうと思ってね」
「俺たちの力に?」

それまで黙っていた豪炎寺君が口を開いた

「その通りだよ。僕も君たちの力になりたいんだ。このままでは、エイリア学園に世界制服されてしまう。そんなの絶対にさせてはいけないんだ」
「てるみん.........」
「アフロディ。その言葉信じてもいいんだな」
「もちろん。今から僕も君たちの仲間だ」
「ふっ。そうだな」
「監督!!」
「えぇ、構わないわ。アフロディ君に後半入ってもらいます」

アフロディが私達の仲間に入り瞳子監督の指示により後半戦はリカちゃんをベンチに下げアフロディを投入した

「このチームで戦えるなんて」
「夢にも思わなかったか?」
「そうだね。僕たちは最初、敵だったからね」
「そうだな」
「この試合、1点取りにいこう」
「もちろんだ」
「メンバーを変えても同じことだよ」
「それはどうかな」

後半戦のキックオフが始まった
豪炎寺君からてるみんにパスが回ると

「さぁ、この僕を止めることができるかい?」

てるみんが前線に向かって走るとガゼルやアイキュー達が止めに来る

「祐奈、豪炎寺君」
「うん」
「任せろ」
「さぁ、これが僕の力だよ。『ヘブンズタイム』」
「!!な、なんだ」
「動けないだろ?なぜなら時を止めたからね」
「なに!」

てるみんは次々とダスト陣を振り切り『ぱちん』と指を鳴らしダスト陣を吹き飛ばした

「うわぁ!!」
「さぁ、残るは君だけだ。一気に決めるんだ。豪炎寺君、祐奈」

てるみんはボールを蹴り豪炎寺君にパスをする

「行くぞ、祐奈」
「うん!!」
「これが俺たちの力だ!!」



「「ファイヤーブリザード!!」」

私達の新技がダイヤモンドダスト陣のゴールに向かう

「アイスブロック...........なに!うわぁぁ」


バシュ

「入った..........」

実況者も喜びながら解説をしていた

「やったぁ!!」
「ナイスシュート、2人とも」
「リュウジ君、やったよ!!」
「うん!!みてたよ。にしてもさ2人とも何時の間にそんな技を完成してたのさ」
「緑川君の言う通りだね」
「え?うーん..........わかんないや」
「特訓してるわけでもないからな」

そうなのだ。私達は特訓もしてないからいきなり言われてもわからない

でも、もしかしたら『リュウジ君やてるみんの気持ち』が私達の新技に繋がったんじゃないかな?なんて私は思っていた

それから残りわずかな後半もなんとか乗り切り同点で試合が終わった

「運がいいね。君たちは」
「ガゼル」
「何だい?緑川」
「ガゼルも雷門に来ないか?」
「私が?馬鹿馬鹿しい。私は君たちとは敵同士なんだよ。敵に情けをかけるつもりかい」
「そんなんじゃない。ただ、このまま『父さん』について行ったて世界制服なんか出来ないことぐらいガゼルだってわかるだろ」
「確かに。世界制服なんかできるわけがない。例えエイリア石があったとしてもね。そんなこと私だってわかってるんだよ。父さんを止める力があれば...........でも私には」
「『そんな力はない』って」
「!!」

後ろを振り返ると吹雪君が立っていた

「誰にだって人を止める力なんかあるわけないよ。でも仲間がいれば止めることができる」
「.........仲間。そうか、だから君たちは強くなれたと言うわけか」
「ガゼル...........いや、風介。一緒に父さんを止めよう」
「緑川............そうだね。私達もできる限り君たちの力になるよ」

リュウジ君と風介が笑って握手をする

こうしてダイヤモンドダストのメンバーを仲間にした私達
次の敵はバーンなのかそれともグランなのかそれはわからないけどそれでも彼らを止めなければならない絶対に

___________


「ガゼルも祐奈達の仲間になってしまったね」
「なぁ、アンタももうわかってんだろ」
「『世界制服』のことかい?確かにサッカーボールで世界制服なんかできる筈がないんだ。第一、『エイリア石』に関しても嘘みたいだからね」
「だろうな。でも父さんのためなら仕方ないんじゃないか?」
「...............そうだね。でも俺もわからなくなって来てるんだ」
「............祐奈のことか?」
「鋭いね。祐奈についていったら変われたのかなってさ」
「どうだろうな。でも俺もアンタと同じかもな。今ならまだ間に合うんじゃねぇかって」
「そうだね............」




((俺たちは祐奈の敵になる))





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