「船長さーん次はどこ行くの?もう決まった?」
「うんにゃ、まだ情報収集してるやつらの連絡待ちだな。こないだ宝は見つけたからそれはもうセスにも任せた」
「そっか。まぁどこに向かうとしても、操縦はあたしに任せてね!」
「ははっそれに関しちゃ心配してねーよ。これからも頼むぜルルイエ」
「うん!」
ルルイエが嬉しそうに返事をすると同時に操舵室の扉が開いた。
開いた扉からは航海長であるクラリーチェが顔をのぞかせる。
「船長」
「ん?なんだ」
「ちょっといいか?」
「あぁ」
「ルルイエ殿、ちょっと船長借りるよ」
「はいはーい。いってらっしゃい」
二人で扉から出て小部屋に移る。そこにはヴァニスタもおりヴァニスタは軽く会釈してオーウェンはそれに応えるように軽く手を上げた。
机の上には地図があり、その上にはここの近くの島の横にコンパスが置いてある。
「なんだ、次の進路の相談か?」
「あぁ、さっきラルム殿が買い出しに行った時にお店の人から聞いた話なんだが、近くにある島で今お祭りみたいなことをやってるらしい」
「祭りぃ?なんの」
「大事な人にチョコとか、お花をあげる行事で、バレンタインというらしい」
「ほー…なんだかんだ新しい乗組員とかガキたちもいるし、そこで親睦会みてぇなことでもやるか」
そう言うとヴァニスタの方を向き手招きをする。それに合わせてヴァニスタも近付いた。
場所を空けるようにリーチェは左にズレる。
「ヴァニスタ、ここらへんはどうだ?大丈夫そうか?」
「…あちらの方か…特に悪意は感じないな。ただ強い力は感じるが…」
「ほー…んじゃ上手く行けば俺の力が干渉できるかもしれねぇな」
「おそらく出来ると思うが、私もなにか手伝いできるならしよう」
「おうありがとな、ヴァニスタ。リーチェ、テナードとアーシャにデッキに全員集合しろと伝えるよう声かけてきてくれ」
「了解した」
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