逃げたのは知っていた。
放置していたのは期待と興味を持ったからだった。
しかしそれは期待とは裏腹に随分と生ぬるい生活を送るのを見て期待と興味が薄れた。
もういっそ、あれも研究体にしてしまおうと研究体に向かわせ捕獲したのが二日前。
捕まえるのには時間は掛からずそのまま直接研究所に搬送するようにと伝えた。


「おかえり、御影くん」
「っ、…契約違反よっ!危害は加えないって…!」
「それを言うなら君が先に契約違反しただろう?ならば守る義務も、放置する理由もない。改めてようこそ、わたしの研究施設へ。新たな研究体として歓迎するよ」
「っ…なんでっ…だって、私はーー」


「ーーー…」
「起きたね、おはよう」
「…ハカセ」
「目覚めはどう?」
「…悪くはありません」
「君もやっと研究体になってくれて私は嬉しいよ。No.は…そうだな、69とかどう?」
「69…」
「外では御影くんとして、ここでは研究体として。シャンへの世話係は変わらず…それが君のこれからの生活だ。支障はないね?」
「ありません」
「ならば良し。じゃあ宜しくね、御影くん?」
「…はい」


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