新しい家、新しい家族
放課後。私は(仕方なく)職員室へ向かう。
『失礼しまーす。』
「…あ!」
『あ。』
扉を開くと何故かマダオ先せ…長谷川先生と目が合った。…そういえば前転校手続きの時ぶつかったよなぁ。そんでその帰りに犬のう●こ踏んだなぁ。……何か悪いことが起きる予感。
「え?!何それ。俺何も悪くな『黙れ、マダオ』…何だよ、もう。」
なんか嫌な予感を感じながら、少し小走りで銀八の席に行く。
『ぎーんぱち。ちゃんと来てやったぞ、この野郎。』
「お、やっと来たか。ちょっと待てよ。」
『…?』
私を見た銀八は急に帰る用意をし始め…ん?何故?
不思議に思っていると用意を終わらした銀八は鞄を持ち、職員室の奥…お登勢理事長に向かい叫ぶ。
「おいババア!!さっき言った通り、今日は早めに帰らしてもらうぜ!」
「ああ、わかったよ。……今日だけ特別だからね。」
「わかってるっての!!」
『え、何?』
「名前」
『はい』
「行くぞ」
『……何処へ?』
"お前の新しい家だ"
そう言った銀八は私の腕を無理矢理掴んで外に飛び出る。
*
おばあとおじいが他界して、居場所が無くなった私を、この学校に呼び、新しい家を用意すると言ったのは紛れも無くこの銀八という男だった。つか一体どんな理由でコイツは、他人の私にそんなことをした「おま、名前。聞いてる?」
『え、あっうん。聞いてるよ。で、バカ王子が何だって?』
「全然聞いてねーな、うん。」
はぁーっと大きなため息を吐く銀八。コイツと私が一体どんな関係だったのかよくわからないが、今1番信頼できる人は多分銀八だろう。何となく落ち着く。もし誰かと一緒に住むなら、こんな人と一緒がいいな。
なんて思っていたから悪かったのか。それとも運命だったのか…
『えーと、リピートプリーズ?』
「だから、今日からここがお前ん家。てか…俺ん家だな。」
『は?銀八の家?私が?え、二人で?』
「いや、二人じゃな「なんでこの子が俺ん家の前にいんの?」あ、銀時おかえり。」
いやいや、待て。そりゃないよ。ありえない。
「あ、転校生の苗字さんでィ」
「…え、何で」
『銀八。この家の住民って…』
「あ、えーと俺と銀時と…コイツ等がたまに…」
「銀八。大事な大事な居候を忘れてやすぜ?」
「あ、そう。後高杉。んで今日から…」
う そ だ ろ ?
「名前、おめェだ。」
新しい家、新しい家族
(ようこそ、坂田ハウスへ)
(嘘だあああああ)
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