ご近所付き合い


「んー名前どこ座わらそう」

「先生ー俺の後ろ空いてまさァ」

「お、よかったあった。じゃあ名前の席は、沖田くんの後ろね」

『はーい(おっしゃ、窓側だ)』











そんな会話をしていたのは10分前。




「…どっかで見たことあるようなー…」



先ほどからずっと私をガン見してくるのは、銀色の天パだから多分銀八の弟の"坂田 銀時"(名前?さっき先生に聞いた)。兄弟そろって綺麗な銀髪。それに色白だし甘い香りもする…。死んだような目をしてはいるが、紅色の瞳は見つめられると吸い込まれそうなほど澄んでいる因みに席は私の右隣。



「知り合いですかィ?銀時」



前の席から坂田くんと私を交互に見ながらニヤニヤしているのは、冒頭を見てわかる通り"沖田"という男の子である。なんというか…かっこ可愛い!白馬の王子様って感じ。クリッとした大きな亜麻色の瞳。そして栗色のサラサラヘアー。少し変わった口調。なんというか…ほんと凄い。席は冒頭を見てわかる通り(二回目)私の前。




「てめぇ等いつまで見てんだよ。コイツ、怖がってんぞ。」



さっきから私をガン見してる二人を止めようとして「死ね」等の暴言を吐かれている彼は、何というか…神。名前は「死ね土方ァァァアア!!!」…土方くんと言うらしい。(てか何、沖田くんってそういう事いう人だったの?!)もう黒髪やばい。萌える。しかもめっちゃイケメン。何この人。しかも優しいし。瞳孔がん開きで少し怖いところ以外完璧よ、うん。







その三人はね、まだいいのよ。でもね、後ろの……




「クックックッ…何だァ?」



ななな、なんなのこの人ォォォォォオオオ?!!なにこの危ない香り!?なにその左目!??眼帯とか厨二ですかこの野郎!!そして何この溢れんばかりのフェロモン!!(あれ、私変態?)なんか寒気が止まらな「オイッ」




『はい、何でございましょう?!!』

「(敬語…?)名前」

『…え?』

「名前」

『……苗字 名前と申します。』



「…名前……」




何度も私の名前をリピートしているこのお方。よく見ると物凄くイケメン。ていうかこの色気、本当に同い年なの「名前」

『はいい!?』

急に私を呼んだフェロモ…この男は、まるで獲物を捕らえた獣のような目で私をみて、手を銃を打つような形にし、指を私に向け…って、ん?銃?




「バァーン」




……は?え、えーと…




『…パシッ』




「…」『…』








「…気に入った。」




一言呟き、教室を出た。てか何だったんだこれ。










「…苗字、苗字。」

『はーい…って』




ふと名前を呼ばれ、前を見ると、ニヤニヤ顔の沖田くんと坂田くん。そしてドンマイっと視線を送る土方くんと…




「名前…俺のHRを無視してお話とは…。それなりの覚悟は出来てんだろーな」




ニヤリっと笑った銀八。


運よく鳴ったチャイムと同時に私は逃げ出した…つもりだったが、残念ながら捕まっちゃいました。



御近所付き合い



(だって後ろの彼が…)

(はーい言い訳禁止。後で職員室)

(…泣)


―――――――――

「バァーン」ってのは高杉さんがヒロインに向けて銃を打つ真似をしたときに言った言葉。『…パシッ』は、ヒロインが高杉さんが打った(真似をした)弾丸を掴んだときの効果音。













人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -