わたしから愛を


「…覚悟してろよ?」




あの言葉の意味をあたしはやっと理解した。



「苗字さん!タオル頂戴!!」

『はーい!』


「苗字さーん。ちょっと湿布貼ってくれるかな?」

『はいはーい!』


「苗字さん、今日の皆の健康状態、練習の記録をノートにまとめてくれる?」

『あっはーい。』


「苗字、肩揉みなせェ」

『はいは…はい?』



こんにちは、名前です。なんとか無事に剣道部のマネージャーになりました。しかし何これ、マネージャーって私一人なの?めっちゃしんどいんですけど。めっちゃ疲れるんだけど。



『…ここ?』

「んー…もうちょい右」

『んんー…ここは?』

「…ッ、もうちょっと下」











『ッんん』

「…ッ下手くそ」

『はッ、とか言って、…気持ちいいくせに…!』

「…!生意気言うんじゃねーよ馬鹿名前」

『…やッ』








「何やってんだおまえら。」

『あ、土方くん』

「…(ッチ)何ってナニでさァ」

「…苗字、何してた。」

『総悟くんに頼まれて…肩揉みして、いつの間にか足の揉み合「総悟ぉぉぉぉおおお!!



私が答えると、土方くんはこちらに向かって走ってきた。それとほぼ同時に総悟くんも体育館の入口の方に走って行った。



「いやーでも苗字さん。す、凄い声出しながらやってたね」

『あ、キャプテン』



入口で揉めている二人を見ていると、ふとキャプテンが話しかけてきた。

あっキャプテンである3年の神田先輩は眼鏡をかけていて背が凄く高くて優しくて勉強が出来て…本当に凄い人だ。



『そんな凄い声してました?あたし。』

「物凄かった」

『いやー真剣になってたもんで、あはは』

「…」

『キャプテン?』

「あ、ごめんごめん。今日は"アレ"ある?」

『ふふ、ありますよー』

「じゃ、用意頼むな」

『はーい』



私は返事をすると、"アレ"を取りに鞄のあるところに急いだ。







先ほども言ったが剣道部のマネージャーは本当に大変だ。でも私は皆の練習姿を見るのも、馬鹿やってる姿を見るのが好きだからここで頑張っている。

でも、ふとあるとき私これで役に立ってるのかなって思ったの。今までもマネージャーいなくても部活は成り立っていた訳で…。

このままではだめだ。これじゃあ今までとなんら変わりない。あたしだけがこの部活に、皆に出来ることを探さないと。


そして出来たのが




『皆さーんそろそろ休憩ですよー。後、今日は"アレ"持ってきました!!』




「来た来た!なんか久しぶり?!」

「うっしゃあ!」




『どうぞ、土方さん』

「おう。」

『はい、総悟くん』

「ありがとうございまさァ」

『銀と「やっほぉおおい!」











『"名前特製ドリンク"どうぞ召し上がれ』



わたしから愛を



((((んっめぇええええ!!))))

(あーよかった)




――――――――――――

苗字ちゃんはお料理上手です。だからドリンクぐらい自分で考えて作れるんです。

とかてきとうなこという私。


H25/03/03

back next





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -